夢木香がある佐賀県鹿島市浅浦地区は佐賀県西部地区に位置する中山間地です。現在、150戸ほどの小さな集落なかで、いまもなお半数以上の人々の生活が、約築100年の住まいのなかで営まれています。適度の増改築が繰り返されながら、建築時をしのばせる草葺屋根は、数棟になってしまいましたが、建築時の構造の力強さと優美さを兼ね備えた木組みが健在です。私はそのなかで、小さな材木屋を営んできました。現在は工務店の代表ですが、材木屋のおやじ歴37年です。私がこの道にはいったとき、この地域の人々の大半は農業と林業で生計をたてていました。しかし、現在はその大半が、会社員として生計をたてています。時代の変遷の中で、ライフスタイルが変わることはやむを得ないことです。しかし、食料の61%を輸入し、その大半を残飯として捨てているといわれています。 木材の80%を輸入し、30年の住宅(一説には25年ともいわれます)の寿命しか持ちえない現状を考えるとき、先人たちが残してくれたものを学び、伝えてゆくことが、環境の世紀21世紀に必要であると考えます。 現在、木を誰にでも使いやすくするため、あるいは工業化住宅(機械化による合理的な住まい)に使えるように、性質を平準化したエンジニアウッドと称する製品が多数生産されています。しかし、短所を矯正するため、木の持つ良い性質が失われています。一棟の住まいをつくりあげるには、たいへんな労力が必要です。その部材は数多くの部材からなり、その加工や取り付けに、多くの職種の人々の協力が必要です。その一本一本を見極めて使ってゆくことにより、100年の寿命をもつ住まいができあがります。 職人が仕事として使う為には、長い年月の木に対する取り組みが必要です。事実、私も30代のころよりも、木に対して自信を持って言えることが少なくなりました。しかし、その反面、木は感性として誰にでも感じるものがあるとか思います。 触った時の温かみ、木の香り、何よりもまわりに木があると、心が落ち着きます。木はむずかしくてやさしい素材であり、やさしくてむずかしい素材だと言えます。私が、木とかかわりながら、先人たちから学んだことや、経験してきたことを書いていきたいと考えています。その素材も銘木と言われるものではなく、私のまわりにある、一般的な、杉や桧や松や雑木と言われる樹種のことを中心として考えています。
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浅浦は「くにのまほろば」でしょうか。
地球上で唯一の再生可能な資源が木材ですから、いろんな所に使われてもらいたいものです。
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