白木蓮への思い
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「鎌倉古道・上道」は上野(群馬県)から町田、そして境川の河岸段丘沿いに鎌倉に向います。 その道は風光が優れていました。とりわけ境川を見下ろす東側の丘陵からの眺望は抜群です。 先年焼け落ちた「住友家別荘」が在ったのも合点が行けます。 その道の其処此処に辛夷の木が自生しています。 3月13日は、昨日の雪が嘘のように暖かい一日でした。 でも、「春一番」が吹き荒れて、我が家の庭の白木蓮は咲き始めたのに、もう風に揉まれています。 真っ白い花が傷むと直に茶色に変じてしまいます。 惜しいような思いがします。 白木蓮も辛夷も、咲き始めが美しいと思います。 形が睡蓮のように整っているからです。 次第に花弁が開いて、散り際には蕊が露になって、花弁はベラベラになって、姿が崩れてしまいます。 「今年も、早くに見に行こう!」 家内を誘って、先ず向った先が、遊行寺さんです。 遊行寺の社務所の前庭に大きな池「放生池」があります。 池野中には観音様が立っておいでで、その目線の先に大きな白木蓮が育っています。 白木蓮の池を挟んだ向かいには梅の古木(想いのまま)、がもう散り始めています。 その横には大きな枝垂れ桜が、蕾を膨らませています。 放生池は「藤沢めだか」を自生させています。 そうです、池は「天国の楽園」を彷彿させよう、デザインされたものでしょう。 白木蓮は睡蓮です。 春風が吹けば、睡蓮は花弁を水面に散らせます。 もじきき花祭りです。 お釈迦様ご誕生に「散華」は天上の祝福でしょう。 ところで、私の義母の戒名は「白蓮院」で始まります。 私の父が名づけたものです。 「母の面影」を思って、又、無くなった母が喜びそうな戒名を付けたのでしょう。 「曹洞宗徒であった父が日蓮宗徒の戒名を上手につけたものだ・・・」感心しています。 家内も、「良い名前をつけて下さった!」感謝しています。 私達夫婦は子供を三人も産みながら、何時までも少女のような立ち居振る舞いの母に「白蓮院」はピッタリだ、思っています。 そして、白木蓮が咲き出すと、母と一緒に(気持ち)お花見に出かけるのです。 そう、彼岸の入りももう直ぐです。 鎌倉古道を下ると、横浜市栄区泉町に「密蔵院」があります。 密蔵院にも白木蓮の巨木が、境内に咲いています。 広い境内に、思うが侭に枝を広げて、枝先には無数の花をつけています。 一つの枝が波の様に見えます。 波頭が白く砕けて、後から後から打ち寄せてくるようです。 (密蔵院の白木蓮) ぼんやり、家内と眺めていたら、ご近所の長老でしょう。 声をかけてくださいました。 「見事でしょう!、泉川(境川の支流)の桜は眺めましたか」 そう、泉川には大きな河津桜が咲くのです。 本家の河津桜にも負けない、巨木です。 今年は地域起しでしょう。菜の花祭を14日開催するようです。 河津桜も「ウォーキングコース」に入っているようです。 河津桜にはお爺さんが三人、作業をしています。 河津桜の樹下にベンチを置いて、ま新しい四つ目の垣根を作って、「泉桜」の看板を用意しています。 「ソロソロ、お茶の時間にしようか・・・・・」 声が聞こえてきたような気がします。 境内には弘法大師像が私達夫婦を見つけてくれています。 私は思います。 弘法大師「空海」の名で高名です。 親から貰った名前は「真魚/まお」。 出家して19歳で「無空」、20で「教海」、でも気に入らなかったのでしょう。 次々に名前を変えます。「如空」、22歳でようやく沙門「空海」と名乗りました。 名前の変遷を辿れば、空海の精神的な成長の軌跡が垣間見れるのでしょう。 私達は自分の名前を自分で名乗る事は滅多に有りません。 生まれた時は致し方ありません。 せめて、成人した時には自分の名を自分できめれば、「この人はどんな人なのか?」 イメージがわきますし、コミュニケーションも容易になることでしょう。 (白木蓮の花の中で、はしゃいでいる「しじゅうから」) 私達は「西行」「良寛」名前お読めば、その生き様が想像できます。 で、「あの世の名前」くらいは自分で決めたいものです。 義母のように「ピッタリ」の名前をもらえれば、思い残す事も無いのでしょうが、「外れ」だったらどうしようもも有りません。 死んだらそれこそ「後のまつり」です。 (密蔵院から、泉川を望む) 密蔵院の白木蓮を見上げました。 真っ白い花のバックは真っ青な青空です。 春一番に花弁が翻弄されています。 「空海」とは「いい名前だなあ」 空も、風も、宇宙の実態なのだろうな・・・・・。 ボブディランのフォークソングを思い出しました。 「風に吹かれて・・・・」 十八番にしていた「Y君」は昨年夭逝しました。 家内は「Y君を偲ぶ会」を今月27日予定しています。 私は、町内会の総会で参加できません。 屹度皆で歌う事でしょう。 「風に吹かれて・・・」を。 Y君の戒名、気に入っているかな? (密蔵院の如意輪観音はもの憂の表情で・・・) |
