琵琶湖:-06- 淡水の大切さ (2)
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このシリーズでは、『琵琶湖』をキーワードにお話しています。
地球の水分のうち97%以上が海水で、淡水の大部分は氷河として存在し、湖沼の淡水はほんのわずかしか分布していないことを前報でお話しました。
今回は、満々と湛える琵琶湖の“淡水”についてで、前回の続編です。
【先ずは水位基準から…】
★海抜ゼロメートル:
・日本国土の高度基準は、東京湾の水位が基となっています。
東京湾中等潮位(Tokyo Peil = TP 0.0m) = 東京湾平均海面 (±0m) = 日本の高度基準面
★琵琶湖の水位基準:
(鳥居川水位観測所)
・琵琶湖の基準水位は特定の一ヶ所の水位を基準としています。
琵琶湖水位(BSL) = 鳥居川水位観測所の零点高 0.0 ←……… ここが琵琶湖の水位基準!
= TP+84.371m
= 大阪湾干潮位(OTB)+85.614m ≒ 大阪城天守閣
(鳥居川水位観測所:瀬田川に架かる瀬田唐橋にあるが、地点に決まった経緯は不明)
・つまり、琵琶湖の湖面は海抜約85mです。
(水位観測ポール:ここのゼロ点位が琵琶湖水位の±0.0cm)
★琵琶湖水位変動測定:
・以前は鳥居川観測所の水位が琵琶湖水位とされていたが、広い琵琶湖なので、風に吹き寄せられて見かけの水位変動があったりで正確性に欠けてた。
・現在は、琵琶湖周辺5ヶ所で測った朝6時の水位の平均をその日の琵琶湖水位としている。
【水位の変動要因】
★増加要因:
・要因:湖面への直接的降水、融雪水流入、 河川水流入、地下水流入。
・降水:滋賀県下の降水量の約9割は、やがて琵琶湖に流れ込むといわれる。
・河川流入:琵琶湖に流れ込む一級河川は125本。小水路まで含めると約500本を超える。
・最長河川は野洲川(65.25km)、次いで安曇川(57.9km)、高時川(48.41km)。
★減少要因:
・要因:瀬田川洗堰放流、琵琶湖疏水(第一、第二)取水、宇治川発電所取水、生活用水取水、自然蒸発。
・流出自然河川:天然の流出河川は瀬田川の1本だけ。
・自然蒸発:真夏晴天時の昼間に、湖面からの自然蒸発量は水位にして約1cm相当量とされる。
【琵琶湖水位調節】
★瀬田川洗堰で水位調節:
・琵琶湖の水位調節は、『瀬田川洗堰』(大津市南郷)の水門開閉操作によって行われている。
・放流は越流式で、水は水門の上部を超えて流れ出る。
・水門の下部に設置されたゲートは電動式で、ゲートを引き上げるほど放流量が下がる。
(上流側から見た現在の瀬田川洗堰:全ゲートから放流中)
・現在の洗堰は、初代の堰の約100m下流に、合計10基の電動式水門を有する。
・水位調節は、国交省近畿地方整備局琵琶湖河川事務所が堰の開閉操作を行っている。
・水位調節は、非洪水期と洪水期、下流の水害、琵琶湖沿岸の洪水、豪雨予報、生物の棲息・生育環境保全と再生等々に配慮している。
・水位減少が大き過ぎても小幅過ぎても、様々な問題を生ずる。適正な水位とは?の議論もある。
(下流側から見た現在の瀬田川洗堰:水門全開時)
・明治期に造られたレンガ造りの初代『南郷洗堰』の一部が遺構として両岸に残されている。
(明治期の南郷洗堰遺構) ★雨量観測:
・平成4年4月以降、「琵琶湖流域平均日雨量」については、琵琶湖流域にある20ヶ所の雨量観測所の雨量の算術平均値を用いている。
【過去120年間の琵琶湖水位変動】
・鳥居川水位観測所でデータを取り始めてから現在までのデータが残っている。
・記録的な大洪水や大渇水も記録されている。
(120年間の琵琶湖水位変動図:−現地看板より−)
【過去の洪水と渇水】
★大渇水:
・明治期以降で最大の水位低下は1995年の−123cm。
・代表的な琵琶湖風景のひとつ『浮御堂』が干しあがったり、水城として知られる坂本城址で通常は水没している石垣が現れたり、浅瀬が干しあがって魚の産卵場が消えたと懸念されたりで、大騒ぎになった。
・それでも、京阪神では断水騒ぎが起こらなかった。
★大洪水:
・記録上の最大の水位上昇は、1896(明治29)年の最高水位+3.76mである。
・当時の水位を記録した記念石柱が瀬田川東詰上流すぐの西光寺正門横に立っている。
その刻線の位置は、門前に立っても身の丈ほどの高さがある。
【2011年9月の台風12号前後の琵琶湖水位】
★紀伊半島:
・紀伊半島に記録的な豪雨が幾日も降り続き、とても大規模な山崩れが土砂ダムとなって川をせき止め、熊野古道の那智大社でも甚大な土砂被害を被り、各地に甚大な被害を引き起こしたことは記憶に新しい…
★琵琶湖:
・この時期の滋賀県の降水量と琵琶湖の水位変動はどうなっていたのだろうか…
データが、琵琶湖河川事務所のHPで公開されている。
9月(日) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
雨量(mm) 10.0 54.3 45.0 114 16.7 0.1 0 0 0
水位(cm) -30 -32 -26 -12 23 28 24 18 12 5
増減(cm) -2 +6 +14 +35 +5 -4 -6 -6 -7
・滋賀県全域の降水量の約9割が琵琶湖に流れ込むといわれているが、台風の影響は滋賀県にも豪雨をもたらした。
・最大降水量が100mmを超える豪雨だったが、その前後の日にも50mm前後の強い雨が降っていた。
・だが、琵琶湖の水位変動は、前日比で最大35cmだった。その後も急速に台風前の水位に戻っている。
・琵琶湖流域では、この時期がほぼ平穏に過ぎ去った。
◆琵琶湖の“水”は、自然現象の影響を受けながらも、このように人為的にコントロールされています。
◆琵琶湖の“水”は、生活用水や農業用水、発電用水などに利用されながら、近畿の人々は様々な恩恵を受けています。
※ このシリーズの他のレポートは、「目次」ページ(こちら)をご覧ください。
【主な資料】
* この『琵琶湖』シリーズで参考とした主な資料は目次ページにまとめています。
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琵琶湖は日本で一番大きな湖ということぐらいしか知らなかったのですが、
このようにして読んで行くと、琵琶湖も生活用水や農業用水と幅広く
琵琶湖の水は使用されているのですね。
ボッチ!
2012/1/30(月) 午後 8:06
Seuさん
琵琶湖はありふれた一般的な“湖”ではないという点で、魅力的ですねぇ。
私流に学んだコトを私流にまとめてみようかなぁ…と思って書き始めています。
広い琵琶湖には、防波堤や水上警備艇、漁業組合等々もあり、漁業で生計を立てる漁師や加工業者もいるし、海と変わらないですね。
2012/1/30(月) 午後 9:18 [ りーりっこ ]