全体表示

[ リスト ]

早稲田大学の「学の独立」は?

 今日は30数年前の若き日々について少々。

 振り返れば、私の大学生時代は勉強に熱中したりスポーツに熱中したりということもなく、かと言ってアイドルに熱中したりという事もある訳でなく、ただルーティーンワークの様に4年が過ぎていきました。

 当時、私は演劇に関心を持ち仲間達とグループ活動をしていたのですが(学生仲間ではありません)、昼間はとび職のバイトをし、夜、早稲田の第二文学部に通っていました。

 家は極貧という状態ではありませんでしたが、親に負担をかけることはしのびなく、入学金は夜警の仕事をしながら貯め、学費はとび職をした貯金で払っていましたから、まあいっぱしの苦学生みたいなもんですね。

 当時バイトをしていたとび職の仕事というのは、先ずはビルを建てる為の土地を準備するために古い家を解体。
 やがてビルの鉄骨を組み建設作業員が仕事をするための足場を設置。
 ビルの形が出来てからは「常用」といって、建設残土などを片付ける掃除を担当するのです。

 10時、3時に休憩タイム。昼は12時から13時。結構、正確に時間は守ってましたね。

 夏場、休憩タイムに1リットル入りのコーラをがぶ飲み。昼飯はラーメンとライスの大盛り。
 思えばよくもあんなにガブガブと飲み食いしたのに、ウエストが68センチしかなかったものです。それほどエネルギーを消費する仕事量だったんでしょうね。

 昼間、家を解体したり足場を作ったり掃除をする仕事のあと、ニッカボッカの格好やジーンズの格好で大学へ向かう。そして芝居の稽古に向かっていたりしていたものです。
 当時は夢ばかり見ていて、では何になりたいのかというとさして自分の中に明確な答えも持たず、中途半端な青春を過ごしていたように思います。

 そんな私にとって母校である早稲田は「人生劇場」や「青春の門」の憧れの舞台であり、いつか、物語の主人公達と同じ様な波瀾万丈の人生に踏み出すことの出来る可能性を秘めた場所として捉えていたのかもしれません。今思えば。

 とは言え、夢と現実は違いますから必ずしも学園の中に夢も希望も、そして理想がそこここにある訳ではありません。
 結局は自分で学び、先生や友と触れ合う中でそうした夢や理想を見いだすべきで、一人の学生として若き日の自分自身を振り返れば、“もっとチャンとやれよ!”的な学生でした。

 また当時は過激派学生が学園を占拠し、その問題解決のために学園側が警察権力に排除を依頼するという所謂、「学の独立」が危ぶまれた時代からは少し経った頃で、私自身もそうした騒動に巻き込まれたことはありません。
 
 それでも忘れかけた頃に内ゲバで殺人事件が発生してもいました。そんな時代です。

 私自身は完全なノンポリで、と言うよりも自分が食って将来何をすべきかを考える方が先決でしたから、端から学生運動をする気もなかったですし、徒党を組んで学生運動をしている者達は「結構なご身分だなあ」という冷めた見方をしていたように思います。
 
 そんな私でも、当時から学園が国歌権力に頼って警察を学園に導入することは“最後の最後の手段”だと思っていました。
 何千人もの幼く危うい若者達と、たった一人で団交をする学長こそ「学の独立」「学の自由」の象徴だと。

 大分前置きが長くなりましたが、今日の記事は我が母校で起きた「学の独立」「学の自由」をどの様に思っているのか?本当にその覚悟があるのか?と思えるような記事についてです。



(毎日新聞 5月23日11時54分配信)
『早稲田大(東京都新宿区)で4月1日に開かれた入学式で、会場前のサークル勧誘を禁じた大学側に抗議する演説をしていた男子学生(22)が大学職員に取り押さえられ、警視庁牛込署に建造物侵入容疑で逮捕されていたことがわかった。学生や教員ら有志は22日会見し「思想・良心の自由を踏みにじる行為」として、文芸批評家の池田雄一さんらを呼びかけ人に抗議の署名集めを始めたことを明らかにした。

 早稲田大や関係者によると、男子学生は入学式当日、文学部キャンパス内の会場前で「サークル勧誘の禁止は大学の管理強化」などと抗議演説をした。職員が注意しても応じなかったため取り押さえ、警備中の署員に引き渡した。学生は間もなく処分保留で釈放されたという。

 早稲田大は07年から苦情殺到や危険を理由に入学式会場前のサークル勧誘を禁じている。広報課は「他の学生にルールを守ってもらった中で、この学生だけが活動していた」(広報課)と説明している』


 この記事を読んでちょっと愕然としました。

 「サークル勧誘を禁じた大学側に抗議する演説をしていた学生」とありますから、学生は大声で学生の自由を奪った大学当局に対する非難の声を上げていたのでしょう。
 この行為は大学のルールを破っているのですから、職員が彼を沮止し、抵抗すれば力ずくでも取り押さえて彼の行動を止めさせることは当然の事です。

 しかし、その後が全くいただけません。

 仮に彼が暴れてケガをする職員が出たならば話しは別ですが、警察に引き渡すなんて言語道断です。しかもその学生は処分保留ですぐに釈放されているのですから、暴力事件もなかったことも明らかです。

 にもかかわらず、早稲田大学ともあろう所が自分たちの規制を破って抗議をする学生がいたからと言って、その学生を拘束した上で公権力である警察にその身柄を引き渡すなど、大学自らが「学の独立」「学の自由」を放棄するにも等しい行為だと言わざるを得ません。

 繰り返しますが、学生に犯罪行為があれば警察に引き渡すのは当然ですが、処分保留ですぐ釈放されるような事しかしていないわけですから、そもそも警察に引き渡した学園側の態度こそが問題視されるべきなのです。
 ルールを破って騒ぐ学生がいる。注意しても聞き入れない。力ずくで沮止し学外に押し出す。それだけで事足りたはずです。
 それでも学生が同じ事を繰り返せば、彼を取り押さえた職員が見張っていれば済むことです。

 こんな事で大学が「学の独立」を自ら放棄するようなことがあっては、時が移り、政府が国民の為にならない法律を通そうとしたり、戦争を始めようとしたりした場合、学園での抗議活動は
容易く警察権力によって弾圧される。と言うことだって考えられるじゃないですか。

 今回の学生を警察に引き渡した早稲田大学の行為は、自らが権力側の一員であることを天下に晒したようなもので、もはや「学の独立」を声高に唱えるのは恥ずかしいでしょう。


   「早稲田大学校歌」    相馬御風 作詞  東儀鉄笛 作曲

  都の西北 早稲田の森に 聳ゆる甍は われらが母校
われらが日ごろの 抱負を知るや
進取の精神 学の独立
現世を忘れぬ 久遠の理想 かがやくわれらが 行手を見よや
わせだ わせだ わせだ わせだ
わせだ わせだ わせだ


 相馬御風氏の詩にあるように、進取の精神を学ばせ、学の独立を守り、現実の世界をキッチリと把握させることで、学生達に変わらぬ理想が育まれる。

 詩で書かれている言葉には大学が学生達に身につけて欲しい理想を綴っていますが、唯一、大学側に守って欲しい言葉として「学の独立」が入っているように思います。

 母校、早稲田大学当局には猛省を促します!

閉じる コメント(2)

顔アイコン

この報道には夫婦で驚きました。1970年代を大学で過ごした者にとっては「大学と警察」と聞けば「学生運動・大学闘争」と連想しますから、何事が起こったかと思えば「ルールを守らなかったから?」 何とも幼稚な発想だと思わずにいられませんでした。なぜすぐに「警察へ」という判断を下したのか、早大生は抗議の声をその後あげたのでしょうか。 これこそ「団交」に値すると思ったのですが・・。

2008/5/24(土) 午後 9:08 [ 白拍子花子 ]

顔アイコン

sighさんの言われるように、余りにも幼稚としか言いようがありません。
近頃の政治家が幼稚化しているのと同じように教育現場でも、教壇に上がる立場の人達が幼稚化していたら、この国の将来は・・・。暗澹としてきます。
進取の精神と学の独立。近い将来、口にするのもはばかれるようになるのかも。

2008/5/24(土) 午後 9:41 [ yuushi2011 ]

コメント投稿
名前パスワードブログ
投稿

閉じる トラックバック(0)

トラックバックされた記事

トラックバックされている記事がありません。

トラックバック先の記事

  • トラックバック先の記事がありません。


.

yuushi2011
人気度

ヘルプ

Yahoo Image

  今日 全体
訪問者 415 1623789
ブログリンク 0 172
コメント 0 4915
トラックバック 0 427
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29

標準グループ

登録されていません

開設日: 2005/6/12(日)


プライバシーポリシー -  利用規約 -  ガイドライン -  順守事項 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2012 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.