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9月11日仙人池ヒュッテに泊まり、名物「かあちゃん」の志鷹静代さんに会ってきた。客は7人。剣山荘のバイト2人、剱岳北方稜線から来たガイドと女性客。アマの写真好き2人。うち1人は常駐。もう1人は当日着。2人とも常連。「女たちの山小屋物語」鷹沢のり子著、98年を読んで、行くなら早くと数年前から思っていた。
9日夕、名古屋の自宅発、飛騨古川の道の駅泊。10日、富山地鉄立山駅8時40分発。室堂9時40分着。小雨。Tシャツで途中空身になり、竜王岳登頂。テント泊装備を詰め込んだ40リットルのミレーザックを担ぎ、剱沢のテン場を目指す。
1泊以上の山行自体が2年ぶり。9年前、剣岳を登ったときも同じ別山乗越への道を辿ったはずだが、今回はさすがに重い。初日なので雷鳥沢からのコースタイム2時間を1時間24分で乗越へ到着。16時18分剱沢テン場着。剱沢小屋に行くが管理場は赤十字マークのある白い建物と知る。2年振りにICIゴアライトを何とか設営。寝る時に、方角が北向きだと知り、頭を反対にした。翌朝、テントの窓から剣岳が正面に見え喜ぶ。
11日5時半、気温6度だったので、二度寝し起きたら6時20分だった。8時45分出発、快晴。地図、ガイドを余り読んでいなかった。剱沢右岸の高巻き道を行く。雪渓歩きはないのかなと誤解していた。50分程度下ったところで雪渓に下りる赤い布を巻いた石があるのだが、気付かず大きな岩から高巻きしてしまった。鎖があったのでこのまま行くのかと思った。氷が立ちはだかり斜面とは1メートル離れた空間が20メートル続いていた。
普通なら、おかしいから引き返すところだが、苦労して向こう側に抜けた。ずり落ちれば氷の下の川の中である。ようやく通り抜けたが、先に踏み跡はない。上や下を探すが進退窮まった。草付きを抜けようともがいていると何と雪渓を男女が歩いているではないか。そういえば、剱沢は日本三大雪渓の一つだった。
すでに40分はロスしている。今さら戻れないので、ここから雪渓に入ることとした。氷に石を落とし堅さを確認。しかし、足を乗せると、南側斜面なので凍結して滑った。まさかのために軽アイゼンを持っていたので、10年ぶりに思い出しながら履く。ようやく脱出し、通常の雪渓下りに移行。振り返ると岸の降りるポイントに標石があり、一人の男が座っていた。
真砂沢の手前で、軽アイゼンを外すと、また雪渓があった。今度は靴のみ歩行だが、特に危険ではなかった。真砂沢に着くと、さっきの2人と女性がいた。若い二人は剣山荘のバイト。女性は金さんという敦賀在住の韓国人。
真砂沢の主人から、「仙人池ヒュッテに着いたら剣山荘のバイトが行くと伝えてくれ」と頼まれるが、「私の方が後着になりますよ」と答える。結局、早着したほうが後に客が来ることを伝えることにした。
真砂沢の主人に、間違えた高巻き道のことを聞くと、「あれは秋道」という事だった。「剱沢小屋の主人がいたでしょ」と聞かれたので、あのポイントに座っていた人かと分った。どおりで動かなかったはずだ。仙人池ヒュッテでの話と復路の状況を考えると、その地点から上流の雪渓歩きをしないように監視していたということだろう。実際には歩いていたが。
真砂沢1219発、二股1325着。岸と高巻きのルート探しが面倒だった。吊橋の北俣側で給水。100m上流から仙人新道を急登。二股1330発、仙人池ヒュッテ着1523。本日、最初の客だった。金さんの住所を知った。
剣山荘のバイトは、最初の休憩時に追い付かれたが、財布を落としたことに気づき探しに帰ったので、結局16時半頃到着した。
仙人池ヒュッテに着いたとき、「おばさんはいますか」と聞くと、志鷹静代さんが出てきた。77歳。10年前の写真そっくりで、眼鏡をはめている。声は私が想像していた声と口調も同じだった。焼き鳥はどうだと聞かれたが余り好きではないというと、豚肉の生姜焼きを選択させてもらった。さんまも焼くという。
ほどなく、風呂に入らしてもらう。極楽である。夕食は豪華であった。いかの唐墨和えときのこの味噌汁がうまかった。ごはん3杯は久しぶり。朝食には金時豆があり、静代さんが半日かけて煮たということだった。みんな、おいしいと食べていた。夕食時に朝食の時間を聞かれたので、6時にしてもらった。
静代さんは膝が悪いが口と頭は達者だ。風呂場あたりが傾き始めているので対処を計画していた。家族は入山に反対しているとのこと。入下山はヘリらしい。
翌朝、雨だった。前日も東の雲で朝焼けは見られなかったという。池からの写真を何枚も撮り、雨が上がった9時すぎに静代さんと写真を撮ってもらった。年長の男性小屋番の人はカメラ屋に勤めていたらしい。紅葉時ではないので混雑はしていない。
池の平小屋へ往復し、さらに仙人峠から10分の山を教えて貰っていたので350度の絶景を楽しんだ。
仙人峠1113発、剱沢テン場1649着。真砂沢と剱沢の間は予想以上に時間がかかった。
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