日記
八日目の蝉('11) 成島出 <「八日目」の黎明を抉じ開けんとする者、汝の名は秋山恵理菜なり>
1 個の生物学的ルーツと心理学的ルーツが乖離することで空洞化した、屈折的自我の再構築の物語
本作は、個の生物学的ルーツと心理学的ルーツが乖離することで空洞化した自我を、日常的な次元の胎内の辺りにまで、深々と引き摺っているような一人の若い女性が、その空洞を埋めるに足る相応の自己運動を継続的に繋ぐ熱量を自給し得ない、「絶対的喪失感」に絡みつかれた自己像に関わる矛盾を、心理の奥底に張り付く「唯一の柔和な思い出」の渦中に、自己投入するための内的過程を開くことで、絶望的に乖離した屈折的自我を統合し、再構築する物語であると同時に、そのような乖離した自我を作ってしまった「母なる女」たちの、その「母性」の有りようを、相当程度において極端な物語設定の中で描き抜いた物語である。
個の生物学的ルーツとは、
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