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承前
案の定、乗り込んできた高湛は、李氏を篭絡しようとした。
そして拒絶に遭うと、従わなければ子供を殺すぞと威したのである。
こう言われては李氏も拒み通すことができず、結局は従ってしまう。
これより高湛は兄嫁の李氏を寵愛し、毎晩昭信宮に泊まるようになった。
数年後、高湛の子を身ごもったことを恥じた李氏がその不義の女児を殺し、
それを知った高湛が李氏を殺そうとして、遂には尼寺に逃げたことは、また後の話である
すると、当然のことではあるが、胡氏は孤閨をかこつようになる。
さて、胡氏の心の内は如何に?如何なる行動に出るのであろうか?
この皇帝にしてこの皇后有り?
人並み外れて好色な胡氏には、これは何としても耐えられないことであった。
胡氏は皇后であるから、女性としてはナンバーワンの地位に在る。
こんな時、嫉妬深い皇后は、しばしば相手の女を陥れ、殺害したりする場合もある。
相手がいなくなっても、皇帝の愛がもどるとは限らないのに。
胡氏はそんな愚かなことはしなかった。
そもそも、胡氏に嫉妬心が有ったかどうかは、疑わしい。
何故ならさっそく、これ幸いとばかりに、皇帝の寵臣和士開(かしかい)と情を通じるようになったからである。
和士開は、初め高湛が長広王であったとき、高湛の信任を得てその左右に侍していた。
彼は槊(ほこ)に長じ、琵琶の演奏を善くするという文武両道のナイスガイでもあった。
高湛が帝位につくと、和士開も給事に昇進する。
この和士開を、胡氏は夫と兄嫁の乱倫に乗じ、宮女に賂をして味方に引き入れ、
宮中の淫行に引きずりこんだのであった。
まことにあちらがあちらなら、こちらもこちらで、皇帝と皇后は共に不倫に忙しかった。
和士開は、胡氏をいたく満足させ、胡氏は彼に鴛鴦の契りを結ばせた。
死ぬときは共にと誓いあったのである。
一方高湛は、二人の関係を知りながら、それを咎めるどころか、彼らの密会に便宜を図る有様であった。
和士開に命じて皇后に槊を教授させ、それを名目に密会を続けさせたのである。
こんな皇帝であるから、自分の情事に没頭するあまり、政治をおろそかにしたことは言うまでもない。
朝議も数日に一度しか出ず、それも出たと思うとすぐに終わりにするという始末。
しかも、自分の乱倫を咎められはしないかとびくびくしていたので、胡氏の言うことは何でもいいなり。
ために和士開もどんどん出世を重ね、黄門侍郎に抜擢されるに至った。
それなのに、和士開ときたら。
いや、それこそが和士開らしいと言えようか。
これだけ高湛に寵用されながら、一方で彼は、抜かりなく皇太子高緯のご機嫌をも取り結ぼうとした。
人生の楽しみを極めるためには、窮屈な皇帝位など早く皇太子に譲る方が宜しい、と高湛に勧めたのである。
渡りに船とばかりに、さっさと帝位を高緯に禅位し、太上皇に祭り上げられた高湛。
こうなれば、もうやることは一つ。
太上皇となった高湛はこれより後宮にこもりきりになり、一層淫楽にふけることとなる。
当然、胡氏も一層放恣に振舞うようになった。
続く
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最近、楽しい事が無いな・・・と言う方に見て欲しいです♪
2007/8/7(火) 午後 4:47 [ hgf*th*g*rwgt4*65 ]
hgfhthtgerwgt4765さま
ありがとうございます。
ちまき
2007/8/7(火) 午後 4:51 [ zof*x ]
数奇の史実と軽妙な語り口、物語がますます佳境へ+++
今気付いたのですが、「篭絡」、「孤閨をかこつ」、「鴛鴦の契り」...など、ネット辞書と首っ丈の間、わが知識の水平線が広がっているようです。。。ちまきさんの教養の深さに敬服。\(^o^)/
2007/8/8(水) 午前 1:53 [ win**bird ]
わざわざ、辞書で調べてまで読んでくださっていたなんて。
感激です。
2007/8/8(水) 午前 9:11 [ zof*x ]