何かいいことないかな
雨に打たれて「白い虚塔」が動き出す
高く、高く、もっと高く …
そうしてひたすら急いできた高度成長期。昭和の時代。
「貧しくても、夢があった」と言われている、『三丁目の夕日』の時代。
いつも塔がそびえたっていた。
正義とはなんなのか。
いったい誰のための組織なのか。
何も考えないまま、人はただ上を見て背伸びし続ける。
財前五郎が激怒した。
「あなたに行くところが一つだけあるわ。岡山よ。お母ちゃん所に帰ったらええわ。」
その時伊達男の財前は自分を見失い、愛人を二度もなぐりつけた。そして、裁判においての徹底抗戦を決意する。
そうなのだ、彼に帰るところなどなかったのだ。帰ってはいけなかったのだ。ただひたすら高く塔を積み上げること、その上から全世界を睥睨することのみを目指してきた彼には、故郷な
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