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新元号令和を、新天皇陛下と共に歩む
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 「最強の狙撃者」
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この本は伝説の狙撃者、ドイツ陸軍第六軍、第三山岳猟兵師団、百四十四連隊
 ヨーゼフ・アラーベルガー(通称ゼップ)上級兵長の実録実名物の叙述であり、美化することの無い兵士の伝記でもある。
 主人公のヨーゼフは、その卓越した才能と戦闘意欲で公式記録では257人を狙撃で殺している。
しかし狙撃以外の一般戦闘でも多くを殺しているので、カウントされないこれらを含めれば膨大な、恐らく1000人に近い殺傷数になるだう。 
場所は東部戦線でスターリングラードからの撤退戦。
戦争記録や軍記物でもあまり取り上げられることの少ない狙撃兵という特殊な兵士の経験を通じて、第二次大戦の末期、東部戦線でドイツ軍がどのように泥沼の撤退作戦を戦ったかつづる特異かつ貴重な記録でもある。
 内容はあくまでも事実にもとずいており、フィクションを交えているわけではないが、記述されているエピソード全てが主人公ゼップ本人の経験だと考える必要もない。
巻末に挙げられている参考文献の内容も織り込みつつ、一人の狙撃兵の目線から、東部戦線の兵士たちの軌跡をたどったものと解釈すべきだろう。
読者としては、圧倒的兵力と物量で追撃するソ連兵の悪辣さ残虐さ。
暴行、略奪、強姦、陵辱捕虜虐殺の凄まじい描写は壮絶で背筋が凍る。
一例を挙げるなら、材木工場の電動鋸で、ドイツ兵の捕虜を切り刻むさま。
 ルーマニア村民の妊婦を強姦し、その腹から胎児を取り出し、壁に釘で張付けるなど。
歴戦のドイツ軍兵士でさえ、その凄惨で残虐な光景に反吐をはき逃げ出すさま。
さらに想像を絶する戦闘の相貌、狙撃銃の種類、その操作方法、狙撃用移動陣地の造り方、塹壕での大小排出物の処理方法、戦場食、等々、戦闘の詳細は興味深い。
 さらに到る所で描写されている、砲撃でドイツ兵士が腹から内臓があふれ出し、本人が湯気の立つ臓物を腹に押し込む、手足が一瞬で吹き飛び胴体だけになった兵士が、
「俺の手は何処だ?足が無い」と泣き叫ぶ様など壮絶を超越して幽鬼迫るものがある。

一般に想われている「スナイパー」の颯爽としたイメージとはかけ離れた、泥臭く地味な狙撃兵の実像が浮かび上がってきて、戦後も集団で戦う他の兵士とは違って、面と向かって人を殺したという意識が消えることは無い。
それがどれほど苦しいことであるかは、我々の想像を絶している。
 
映画の「アメリカンスナイパー」は米国中心の世界秩序というものが
天壌無窮のものとして描かれた、いわばアメリカの宣伝映画だが、
この本は戦争の本質を一兵士の体験から浮かび上がらせてくれる。
 
 
 

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