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チョムスキー オバマについて語る
イスラエル、イラク、経済危機に対しオバマが明らかにした政策
【Obama's Emerging Policies on Israel, Iraq and the Economic Crisis
An Interview with Press TV By NOAM CHOMSKY】
http://www.counterpunch.com/chomsky01282009.html
(28/Jan./2009 COUNTERPUNCH)
PT(プレスTV):チョムスキー教授、パキスタンのことからうかがいましょう。無人機によるアフガニスタンからパキスタンへの越境攻撃で人を殺害したことについて、ホワイトハウスはコメントを控えています。オバマは、この問題を解決するために、あなたがユーゴスラビアの件で触れていたリチャード・ホルブルック【訳註1】を選びました。
CH(N.チョムスキー):米国がパキスタンを自由に爆撃でき、重大な問題を何度も起こしてきたブッシュ・ドクトリンをオバマは明らかに引き継いでいます。例えば、アフガニスタンに近い、バジャール州では、たいへんな混乱と戦闘が続いています。部族指導者やそこの住民の調査によると、マドラサ【訳註2】への爆撃によって、80人から95人の人々が殺されたことが分かりました。米国の新聞では報道されてないと思いますが、パキスタンの新聞ではもちろん報道されています。
報告を書いた著名な原子物理学者パルヴェーズ・フードバーイー【訳註3】は同時に、この種の虐殺がパキスタンと言う国家を脅かすほの、恐怖と報復を生み出すことを指摘しました。それは今実際に起こっており、わたし達はそれ以上のものを見ているのです。
パキスタン政府は、この地域の作戦を指揮していた米国のデヴィット・ペトラエアス将軍【訳註4】に対し、最初のメッセージでパキスタンにもう爆撃をしないよう求めました。実に、アフガニスタンのカルザイ大統領からオバマ新政権への最初のメッセージも同じ内容、もう爆撃は望まない、ということでした。カルザイ大統領はまた、米国軍や他の国をはじめ、外国軍がアフガニスタンから撤退するタイムテーブルを要求しました。もちろん無視されましたけれどね。
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PT:中東特使に任命されたジョージ・ミッチェルに楽観的な期待を持っている人々がいます。リチャード・ホルブルックにも。わたし達は、いわゆるスレブニツアの大虐殺【訳註5】で役割を果たせたかもしれないと思われるボスニア担当の元特使と話をしたことがあります。そして、デニス・ロス【訳註6】がイラン特使と噂されています。
CH:ホルブルックには、ユーゴスラビアでの経歴ほどではありませんが、それ以前にもきわめてひどい経歴があります。たとえば、東ティモールのインドネシア人の虐殺において、ホルブルックは、[米国の東アジア政策局長として]様々な任務を担当していた[が、東ティモールに対する軍事攻撃を支援し、インドネシアの虐殺隠蔽に貢献した。]ジョージ・ミッチェルは、もっと好ましい、まあそう言っておきましょう。彼には非常に好ましい経歴がある。北アイルランドで彼は何がしかを達成しましたが、この場合、目標がありました。
目標は、イギリス人がIRAのテロに暴力に訴えて報復するのを終わら
せ、テロの根源である正当な不満に気を配ることでした。彼はそれに取り組み、イギリス人は不平に耳を傾けるようになり、テロは止まりました。これは成功でした。しかし、中東においてそのような見通しがありません。特にイスラエルとパレスチナの問題においては。わたしが言いたいのは、解決策がある、イギリスの場合と同じように非常に単純で率直な解決策があるということです。イスラエルは、占領地で米国に後押しされた犯罪を止めることができたはずですし、おそらく彼らへの反撃も止められたでしょう。しかし、それは検討されていません。
事実、ちょうどオバマ大統領は記者会見を持ちましたが、その点で非常に興味深いものでした。彼は放物線のような平和のイニシアティヴ、アラブ連盟によって承認されたサウジアラビアのイニシアティヴを賞賛して、そこには建設的な要素があったと述べました。それは、イスラエルとの関係正常化を求めており、オバマ大統領は、アラブ諸国に、こうした「建設的な要素」、すなわち関係正常化を促進するよう求めました。
しかしながら、それはアラブ連盟の運動のとんでもない歪曲です。アラブ連盟の運動は、長年国際合意となっている二国間国境の解決を受け容れるよう求めており、その実現を条件に、イスラエルとアラブ諸国との関係正常化がはかれると言っているのです。オバマは、要求の前半部分、とても重要で、問題解決の鍵となる部分を読み飛ばしています。なぜなら、それは米国に重要な義務を課すからです。30年以上、米国はこの国際合意を妨害する立場に単独で立ち続けてきました。【訳註7】そして、それが米国とイスラエルを孤立させる結果となったのです。
ヨーロッパ、そして今では他の多くの国家がそれを受け容れました。パレスチナ政府はもちろん、ハマスもずっとそれを受け容れています。アラブ連盟もずっと受け容れてきました。アメリカとイスラエルは、言動だけでなく、行動においてもずっとそれを拒否しています。ガザ地区をはじめ、占領地では、毎日のように残虐行為が起こっています。ですから、オバマ大統領がアラブ連盟の要求の前半を無視したのは、意図的なものです。外交的解決を実効あるものにしようと模索する世界の動きに加わらない米国の政策を継承するのが事実なら、ミッチェルの任務は意味がありません。
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PT:オバマは、国境が開かれるべきだといいました。これによって何か政策の変化を期待できますか?
CH:そうは言いましたが、それが他の多くの文脈の中にあったという事実について言及していません。イスラエルもこう言うでしょう。国境は開かれるべきだが、例えばハマスのようにパレスチナ人によって選ばれた政府と対話するのは拒否し続けるでしょう。この点が、ミッチェルが関わった北アイルランドの場合とは全く異なります。それは、パレスチナ人が自由に投票したことを理由に罰せられなければならないことを意味しています。そして、オバマは、エジプト人を封じ込めるため[イスラエル外相]ツィッピ・リヴニと協定を結んだコンドリーザ・ライスのガザ政策を支持しました。これは、まさに帝国の傲慢さを示す行為です。それは彼らの国境ではありません。実際、エジプトはそれに強く反対しました。しかし、オバマは続けました。彼は、トンネルを通して兵器がガザ地区に密輸されるのを確実に防がなければならないと言います。一方彼は、はるかに莫大で致命的なイスラエルの兵器が運び込まれることについては不問でした。事実、ちょうどガザが攻撃されている最中の12月31日、ペンタゴンは、ドイツの船に3000トンの軍事物資をイスラエルまで輸送するよう命じていたことを発表しました。ギリシャ政府がそれを防いだため、それは上手くいきませんでした。【訳註8】しかし、ギリシャを通らなくても、他のどこかを通ることもできたでしょう。これは、ガザ攻撃の最中の出来事なのです。
実際には、非常にわずかな報告と質問がありました。ペンタゴンは、面白い方法でこれに対応したのです。彼らは、この物資はガザへの攻撃に使われるものではない、と言いました。事実、彼らはイスラエルがオバマ就任の前に攻撃を停止するのを知っていました。オバマが[就任演説で]ガザ攻撃のとに触れなくて済むように。それでも、ペンタゴンは、この物資が米軍の陣地を確保するために使われていると言いました。言い換えれば、長い間行われていることですが、イスラエルは、世界の重要な産油地域の周縁に配置された米軍基地としての役割を拡大し、補強しているということです。何故と聞かれるたび彼らは、防衛や、安定のためと答えるでしょうが、それは更に攻撃的な行動の準備に他ならないのです。
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