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10月12日22時53分配信 産経新聞
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は12日に会合を開き、平成20年度予算編成に向けた具体的な審議を始めた。この日は文教・科学技術関係予算と地方財政の在り方などを議論。委員からは、地域間で税収の偏りが大きい地方法人2税の見直しを求める声が上がったほか、政府の削減方針とは逆に文部科学省が公立小中学校教職員の大幅増員を求めていることに対し、「歳出増を招いて財政規律が緩んでしまう」などと懸念する声が相次いだ。
会合後に記者会見した西室泰三会長は、個人的意見と述べた上で文科省の増員要求について、「なぜこのようなものが出てきたのか、あっけにとられている」と懸念を表明した。財務省も「増員より働き方の効率化が先決」との姿勢で、年末の予算編成に向け激しい攻防が展開されそうだ。
財務省が問題視しているのは、公立小中学校で教務のリーダーとなる主幹教諭や事務職員らを、20年度から3年間で新たに2万1362人増員するという文科省の計画だ。初年度は7121人の増員を見込む。
文科省は計画に基づいて、20年度予算概算要求に国と地方で分担する人件費など総額504億円を盛り込み、3年間で1512億円を要求した。さらに残業手当の支給額引き上げなど4年間で同2400億円を盛り込んだ。その結果、教職員に国が払う給与など「義務教育費国庫負担金」の20年度要求額は、対前年度比1・8%増の1兆6957億円に膨らんだ。
文科省側の主張の根拠は「子どもと向き合う時間の拡充」と「教員の適切な処遇」の2つで、そのために増員が必要と説く。だが、財務省は、少子化で児童・生徒が急減しても、教員や国と地方の教育費はそれほど減らないうえ、教員の給与水準は公務員(一般行政職)の平均に比べて高い点などを指摘。教務以外に忙殺される教員の働き方の改善などを行い、増員で問題を対処するのでなく、教育の質を高めるべきだと反論している。
計画通りの増員を実現するには、公立学校の教職員数削減方針を盛り込んだ行政改革推進法の改正も必要となる。しかし、文科省は「主幹教諭の配置は学校教育法でも定められている」と主張し、行革法の改正なども求めて一歩も引かない構えだ。
政府・与党内に格差是正の声は大きくなり、「公務員優遇」とも映る文科省の計画に追い風は吹かない。ただ、20年度予算編成の重点分野に「教育再生」が盛り込まれたことで、文科省も文教族議員らをバックに強気の姿勢を変えていない。緊縮予算のたがのゆるみを指摘される中で、他省庁も動向を注視している。
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