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11月9日2時34分配信 毎日新聞
「山田洋行=(イコール)宮崎」。防衛業界関係者は口をそろえる。
元専務の宮崎元伸容疑者(69)は高校卒業後、航空自衛隊に入隊。夜間、中央大経済学部に通って卒業すると、別の防衛商社に入社した。
山田洋行への転職は69年。同社設立と同時だった。口癖は「商権を取れるかどうかですべてが決まる」。商権とは海外メーカーの販売代理権。防衛省が調達予定の装備品の概要をいち早く知り、米国メーカーの商権を獲得し、同省に売り込む。この戦略作りのすべてを元専務が担った。
防衛庁(当時)に日参し、幹部を酒席やゴルフに誘い出す。面識のない係長級の職員にまで高級牛肉やカニなどのお中元・お歳暮を送りつけた。天下りも積極的に受け入れ食い込みを図った。
「大手商社と肩を並べるため創業時から目標に置いていた」(元専務)という米国での人脈作りも主導。現地法人を設立し、米軍OBや防衛業界に強い弁護士を顧問として雇い入れ、米国防総省高官や海外メーカー幹部とのパイプを築いた。
設立から30年後の99年度。防衛庁との契約額は約160億円に達し、無名商社を大手商社と肩を並べるまでに押し上げた。米ゼネラル・エレクトリック(GE)幹部が守屋武昌前事務次官を表敬訪問した昨年12月に同席したことが明らかになっている。
昨年6月、経営方針を巡りオーナー側と対立して退社。同9月に同業の日本ミライズを設立した。かつての部下30人以上が同調、商権も奪い、順調な船出になるはずだった。しかしその後、山田洋行から総額15億円の損害賠償訴訟を起こされる。会社の資金繰りは悪化し、今年6月には自宅やマンションを担保に9500万円を借り入れた。先月19日以降、前次官への接待や不正経理が次々と発覚し、今月1日、社長を務めていた日本ミライズに辞表を提出した。
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