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11月30日21時42分配信 産経新聞
薬害肝炎の疑いが強い418人のリストが放置されていた問題。30日、最終報告をまとめた厚生労働省の調査チームは患者への告知を「配慮があってしかるべきだった」としながらも「責任はない」と判断した。責任を問わない形で報告がまとまったことに、薬害肝炎原告団は「調査は税金の無駄遣いだった」と激しく批判した。
「本当に失望した」。調査チームの報告を受け、会見した薬害肝炎原告団代表の山口美智子さん(51)は、こう言い放った。そして、「期待はしていなかったが、税金と時間の無駄だった」「厚労省の体質だと思う。薬害は肝炎訴訟を最後にしたい」などと涙を流した。
調査チームでは資料の管理責任を認め、関係者を処分するとともに西川京子副大臣ら調査にかかわった政治家が「厚労行政に対する信頼を著しく損ねた」と、賞与返納を示唆するなどした。
しかし、山口さんは「そんなことでは済まされない」と、あくまで放置した責任を追及すべきだと訴えた。
また、原告団は平成13年に厚労省の研究班が「第IX因子製剤」など、フィブリノゲン以外の血液製剤を投与された患者に対しては告知を行った点を重視。フィブリノゲンに関する有識者会議でも同様に「患者へ告知すべき」という見解が有識者から出ていた可能性を指摘した。原告団の山西美明弁護士は「ことあるごとにその点を調査すべきと訴えていたが、調査チームは議事録さえ読んでいない。何のための調査なのか」と憤りをあらわにした。
会見では、同日、東京地裁に国を提訴した秋田県在住の女性(58)も同席。女性は18年前、出産時に止血剤としてフィブリノゲンを投与された。418人のリストが問題化するまで、C型肝炎は輸血が原因と思い込んでいた。
今月14日、医師を通じてフィブリノゲン投与を初めて告知された。女性は「18年間、心の根っこに潜んでいた思いが『ああ、そうだったんだ』と思った。肝臓がんの恐怖がいつも頭の中を遮っている」と、悲痛の表情で話した。
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