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12月5日20時29分配信 毎日新聞
小売り世界最大手の米ウォルマート・ストアーズは5日、子会社の西友を完全子会社化するためのTOB(株式の公開買い付け)が成立したと発表した。ウォルマートはくすぶっていた「日本撤退」の観測を打ち消し、業績不振が続く西友の再建をさらに加速させる構えだ。しかし西友では、希望退職によって90人の店長が退社するなど現場は混乱気味で、再建の実現にはなお課題が山積している。
TOBは10月23日〜12月4日に実施。2位株主の住友商事などが応募した結果、当初からのウォルマート保有分(50.9%)を含む95.1%を確保し、成立条件の3分の2以上を上回った。買い付け額は932億円で、最終的には全株を取得する見通しが立った。これにより、西友はウォルマートの完全子会社となり、遅くとも来年4月下旬には上場廃止の見込み。
ウォルマートは02年に西友に資本参加。ウォルマートが買い付けた割安な海外商品を投入したり、店舗の営業時間を延ばすなどしててこ入れを進めているが、西友は06年12月期まで5期連続で最終赤字が続いている。
10月には、西友の本部組織のスリム化を目的とした希望退職を募集したところ、全店長の4分の1に当たる90人が応募する事態となった。他の大手スーパーからも「年度途中にこれだけの店長が代わるのは異常」との声が出ている。
西友の低迷は、ウォルマート流の低価格路線を掲げながら、イオンなどに規模で劣っているために、十分な安さを打ち出せていないことが一因とされる。ウォルマートはM&A(企業の合併・買収)による規模拡大も模索するが昨年、ダイエー株の取得交渉でイオンに敗れた。経営陣も生え抜きの多くがウォルマートや外部出身者に代わり、「長年愛着を感じてきた西友ではなくなった」(元社員)と、現場の動揺につながっている。
ウォルマートは完全子会社化で、株価や他の株主に左右されず改革に打ち込めるようになる。「天下のウォルマートが撤退を否定した以上、意地でも西友を再建させる」(大手スーパー首脳)との観測は多い。ただ、成果を早急に示せなければ、現場の疲弊が一層進むことも予想される。【宮島寛】
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