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1月18日19時56分配信 毎日新聞
18日召集された通常国会の最大の焦点は揮発油税(ガソリン税)の暫定税率の維持問題だ。関連法案に反対し今春の衆院解散に照準を合わせる民主党と、新テロ対策特措法と同様に、衆院での再可決による乗り切りを図る与党。3月末の期限切れ後は一定期間の「25円値下げ」実施も予想される中、世論がどちらの主張に耳を傾けるか。「生活重視」を共に掲げる与野党の次期衆院選に向けた攻防の火ぶたが切られる。
道路特定財源のうち3月末に期限が切れる暫定税率は▽ガソリンにかかる揮発油税・地方道路税(上乗せ分は1リットルあたり計25.1円)▽軽油にかかる軽油引取税(同17.1円)▽自動車を購入する際にかかる自動車取得税(同購入価格の2%)だ。
ただ、仮に期限切れとなっても、ガソリンスタンドのガソリン価格が4月1日からすぐに1リットル25円下がるとは限らない。ガソリンの場合、スタンドで給油した際に課税されるのではなく、石油元売り会社が製油所から出荷した段階で課税されるため、スタンドが3月末までに仕入れたガソリンの価格は4月に入っても下がらない。一方、軽油は給油の際に課税されるため、同じスタンドで「ガソリン価格は据え置き、軽油は値下げ」という事態も起こりそうだ。
また、暫定税率を延長する租税特別措置法改正案など予算関連法案は2月中旬に衆院で可決され、参院に送られる見通し。参院送付後60日を過ぎれば、憲法の規定で否決されたとみなされ、4月中旬には衆院で与党が3分の2以上の賛成により再可決できる。
そうなれば短期間で暫定税率が復活するが、その前に買っておこうという駆け込み需要が発生するため「石油業界がパニックになる」(元売り大手)と見られる。業界や経済産業省の対応も決まっておらず、73年の石油ショックのような混乱が起こる可能性が高い。
一方、期限切れによる税収減の規模を予測するのは難しいが、財務省は値下がり前の買い控えと再値上がり前の駆け込み購入が影響すると見る。
3月に切れる4税の暫定税率分は08年度予算案で2兆894億円。暫定税率が約1カ月間なくなると仮定すると、買い控えなどの影響を含め2000億円近い税収が失われる計算だ。法人税など他の税収が予想を上回って伸びない限り、財務省は08年度中に財源不足を補うための新規国債発行を迫られる可能性がある。【岩崎誠】
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