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10月10日3時2分配信 読売新聞
中川財務・金融相は、10日にワシントンで開かれる先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、国際通貨基金(IMF)に新たな緊急融資制度を設ける構想を提案する。
新興国や中小国が自国の金融機関に公的資金を注入しようとする際、資金面で支援する。米国発の金融危機が欧州や新興国に飛び火したことを受け、金融システムの動揺を国際的な資金協力によって鎮めようとする措置だ。融資枠は総額で2000億ドル(約20兆円)規模となる可能性がある。
新興市場国や欧州の中小国では、国内の金融機関の資産規模が国内総生産(GDP)を大きく上回ってしまう国もある。金融不安の連鎖で金融機関の経営が悪化した場合に、国有化などの措置をとろうとしても、必要な資金を自国だけでは賄いきれない恐れがある。
人口31万人のアイスランドが自国内の全銀行を国有化できる制度を作った際、ロシアに緊急融資を要請したのがその一例だ。
「中川構想」は、資金供給の最終手段を用意することで、こうした新興市場国や中小国の不安をやわらげ、国際金融市場の緊張を緩和する効果を期待している。
構想では、資金の使い道を銀行の資本増強策など、金融システム安定化に限定する。金融機関の健全化に向けた工程表である「金融再生プログラム」(仮称)を策定することだけを融資条件とする。融資審査を通れば、貸し付けに上限額は設けない方針だ。これらの措置により、自国の金融機関の経営悪化に悩む新興市場国や中小国がIMFから資金を借りやすくする。
IMFが緊急時などに備えて保有する資産(特別引き出し権=SDR)は現在、3000億ドルを超える。日本政府は、このうち新制度での融資に充てられる額が約2000億ドルあると見ており、各国の新たな拠出を必要としない制度とする構想だ。
既存のIMFの融資制度は、融資条件として、財政健全化の取り組みや金融政策の発動を迫るなど、厳しい政策対応を借入国に求めることが多かった。このため、資金を借りたい国が、実際に融資を申し入れにくい問題が指摘されていた。
中川財務・金融相は、中川構想の提案に加え、90年代後半からの金融危機の体験に基づき、米国に対して金融機関に公的資金を注入する必要性も訴える方針だ。
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