|
10月29日6時12分配信 河北新報
仙台市泉区に市内2つ目のアウトレットモール「仙台泉プレミアム・アウトレット」が開業して29日で2週間。9月には同市宮城野区に「三井アウトレットパーク仙台港」が先行オープンし、巨大商業施設が相次いで姿を現した。業界二強が15キロの近さで立地するのは全国初。「共倒れでは」と危ぶむ周囲の声をよそに、両社とも今のところ「予想以上に好調」と鼻息が荒い。これに対し消費低迷にあえぐ中心部の既存店は「客足が減っている」と危機感を募らせている。(報道部・松田佐世子)
両社手応え十分
開業前日の内覧会から大勢の客が訪れ、初日も来場者が1万5000人を超えたチェルシージャパン(東京)の仙台泉アウトレット。同社は「開業後の来場者数、売り上げは予想以上だ」と喜ぶ。
三井アウトレットは開業して1カ月半がすぎた。三井不動産東北支店は「当初の6日間で20万人以上が来場した。東北のほか新潟、富山ナンバーの車まで来ており、驚いた。年間売り上げ目標130億―150億円はクリアできそうだ」と手応えを話す。
平日もバスツアーの観光客らでにぎわうが、来場者はやはり週末中心。同支店は「認知度が高まり、楽しみ方を分かってもらえれば安定的に集客できるはず」と見込む。
地方での実験台
アウトレット業態の特徴は、時季遅れや規格外などのブランド品の割引販売。600万人商圏が基本とされるが、仙台市は周辺を含め300万人商圏にすぎない。このため開業前には「小さい商圏に、同時期に2つのアウトレット。共存できるのか」(地元商業関係者)と懐疑的な見方もあった。
だが開業直後の好調ぶりに両社は「共存しうる」(チェルシージャパン)、「同時に2つは、注目されるメリットがある」(三井不動産)と自信を深めている。
仙台はチェルシーにとって全国7カ所目、三井にとって8カ所目の進出先。仙台進出の背景について、仙台市のマーケティングコンサルタント大志田典明さんは「大都市圏への進出が一巡した。目が向くのは人口が一定以上あり、広域集客できる交通アクセス網が整う地方都市。成長志向のデベロッパーなら当然、仙台が選択肢となる」と読み解く。
国内に現在あるアウトレットモールは33カ所。その約半数を二強が占める。日本ショッピングセンター協会(東京)は「両社にとって仙台は試金石。成果を挙げれば、新たなビジネスモデルになる」。
仙台は、地方都市でアウトレットが成り立つかどうかの実験台というわけだ。仙台がうまくいけば、他の地方都市進出も視野に入ることになる。
百貨店に影響大
一方、消費低迷が続く中でのアウトレットの集客は、既存店の売り上げ減に結びつく。
東北百貨店協会がまとめた9月の仙台地区の百貨店売上高は、前年同月と比べ7.7%減に落ち込んだ。東北全体では3.8%減で、仙台の落ち込み幅の大きさが際立つ。協会は「中心部に開業したパルコと、郊外のアウトレットの影響だろう」とみる。
2つのアウトレットは市中心部から10キロ強と近い。「アウトレット開業後、週末の客足が減っている」。仙台市のある百貨店幹部は影響の大きさを目の当たりにし、ため息をつく。
|