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11月17日8時1分配信 産経新聞
■高校生投手“魔球”で夢へ一歩
来年4月に開幕する野球の「関西独立リーグ」のドラフト会議が16日、大阪市内で行われ、神奈川・川崎北高校2年の吉田えりさん(16)が「神戸9(ナイン)クルーズ」から指名された。吉田さんは入団に前向きな姿勢で、男子プロに交じってプレーする史上初の女子プロ選手が誕生することになりそうだ。
吉田さんは右投げの投手で、身長155センチ、体重52キロ。これまではクラブチームでプレーしており、今月2日から3日間にわたって行われた同リーグのトライアウト(入団テスト)の1次、2次テストを、女子でただ1人クリアした。
実戦形式での最終テストでも、アンダースローから得意のナックルボールで1回を無安打に抑え、ドラフト指名が有力視されていた。
神戸9は7巡目、全体の27人目で吉田さんを指名。中田良弘監督(元阪神)は「話題性だけでなく、本当にナックルボールが落ちる。短いイニングからでも試合に使っていくつもり」と話した。
日本では昭和25年から2年間、「日本女子野球連盟」の下で女性だけのプロ野球チームが活動したことがある。
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「自分も野球で輝きたいと思いました」。ドラフト会議後の記者会見で笑顔を見せた吉田えりさん。指名の感想を問われ、「こんなチャンスはないと思っていたので、正直、今うれしいです」と、あどけない表情ではにかんだ。
音楽好きの普通の女子高生がボールを握ると、“魔球”のナックルを繰り出す。同じくナックルを得意とするメジャーリーグ・レッドソックスのウェークフィールドにあこがれ、練習に励んできた。
父親の勇さん(45)が付き添い、自宅の地下室で魔球に磨きをかける日々。「ナックルは毎日、えりが試行錯誤しながら編み出したもの。『あの子に投げてほしい』とチームに思ってもらえるような投手になってくれれば」と勇さんは語る。
女性にとって野球は、あまりにハードルが高いスポーツだ。吉田さんも「何度かやめたいと思ったし、違うスポーツをやろうかなと思ったこともあった」と打ち明ける。それでも野球が大好きで、背を向けられなかった。
まず“夢”の一歩を踏み出したシンデレラガールは、「これから身を引き締めてがんばりたい」。
将来的には、日本プロ野球機構の12球団にも挑戦したいという。
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