|
11月27日20時47分配信 毎日新聞
【バンコク藤田悟】タイのソムチャイ首相は27日夜、反政府団体「民主市民連合」が封鎖しているバンコク国際空港(スワンナプーム空港)と旧国際空港(ドンムアン空港)周辺に限って非常事態を宣言した。宣言に伴って空港周辺では5人以上の集会は禁止され、デモ隊を強制排除する大義名分となる。市民連合は頑強な抵抗姿勢を見せており、強制排除にかかれば流血の事態は不可避となる。
首相はテレビを通じた演説で「空港閉鎖は国家に多大な損失を与えている。法秩序を回復するための措置だ」と述べた。
治安責任者にはコウィット内相を任命し、両空港の治安確保は軍ではなく、警察が担当する。社会的影響を最小限にとどめるため、宣言の適用を両空港周辺に限定した。
国軍の事実上のトップであるアヌポン陸軍司令官が26日、首相に対して下院解散・総選挙を求めて政府と距離を置く姿勢を示したため、警察の動員を決めたとみられる。
空港で座り込み集会を続けるデモ隊は「非常事態宣言を恐れることはない。政権退陣まで空港封鎖を続ける」と宣言。空港当局は少なくとも29日夕までは国際空港の操業は再開できないと発表した。
タイでは9月、サマック前首相が、デモ隊同士の衝突で死者が出たのを受けてバンコクに非常事態を宣言。軍を動員して市民連合の首相府占拠を解除させようとしたが、軍が中立姿勢を示して介入を拒否し、宣言は実効性がないまま12日間で解除された。
国民の間では、軍がクーデターを計画しているとのうわさが急速に広がっており、首相は軍に対し「兵舎にとどまるよう」呼びかけた。陸軍広報官は27日、「クーデター計画」のうわさを否定した。
|