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11月27日13時18分配信 産経新聞


 【シンガポール=宮野弘之】インド西部のムンバイで起きた同時テロは、経済の急成長を遂げた一方で、貧富の格差の拡大で不満が鬱積(うっせき)し、社会不安が拡大する中で起きた事件で、現在のインドが抱える問題を象徴しているといえる。犯行声明を出した「デカン・ムジャヒディン」が、イスラム過激派とつながりがあるのかどうか不明だが、テロの続発でインドの社会不安が増大するだけでなく、海外からのインドに対する治安への懸念が強まるのは避けられない。投資の冷え込みなどで、経済成長が妨げられる可能性もある。

 ムンバイでは1993年に証券取引所など12カ所が爆破され、250人が死亡。2006年7月11日の列車同時爆破テロでは約200人が死亡する大規模テロが起きている。

 しかし、金融都市として急成長を遂げ、インドの西の玄関口として海外からの人の出入りも多いため、最近では、厳しい警備は行われていなかったという。

 助かった宿泊客らの証言によると、テロリストらは英国か米国のパスポートを持っている者はいないかと尋ね、それ以外の国籍の者は解放している。AP通信によると、オベロイホテルのレストランにいた英国人の1人は、とっさにイタリア人と答えたために助かったといい、犯人は22、23歳でヒンディー語かウルドゥー語を話していたという。

 ただ、英米人を狙う一方で、犯人は駅では乗降客に対し無差別に銃撃を行っており、真のねらいは不明だ。

 インドの首都ニューデリーで今年9月に起きた連続爆弾テロでは、国内のイスラム教系の大学の学生らを含む「インディアン・ムジャヒディン」のメンバーが逮捕されたが、同じころ、マハラシュトラ州で起きた爆弾テロでは、ヒンズー過激派が逮捕されている。

 01年から07年にかけて、マハラシュトラ州などではヒンズー教徒とイスラム教徒の間で宗教抗争が頻発し、02年にはグジャラート州で多数のイスラム教徒が殺害された。「インディアン・ムジャヒディン」も犯行声明でこうした一連の抗争について触れていた。

 今回のテロのねらいは不明だが、こうした対立をあおることで、インド国内の社会不安をさらに増大させる意図があるのは確実だ。


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