|
12月3日19時41分配信 産経新聞
経営危機に陥っているゼネラル・モーターズ(GM)などビッグスリー(米自動車3大メーカー)が米議会に再建計画を提出した。支援の要請額は計340億ドル(約3兆2000億円)に膨れ上がり、予想以上に深刻な状況にあることが判明した。ただ、救済法案が可決するかはなお不透明で、仮にビッグスリーのうち1社でも破(は)綻(たん)するような事態になれば、日本の自動車メーカーも大きな打撃を受けることになる。
「(ビッグスリーが)危険な状態になれば、われわれも大変なことになる」
ホンダの福井威夫社長はビッグスリーの行く末を心配する。その理由は、ビッグスリーと日本メーカーが同じ部品メーカーに依存しているからだ。仮にGMが破綻すれば取引先の部品メーカーは末端まで連鎖倒産する可能性がり、「米国依存度の高いトヨタ自動車やホンダが大きなダメージを受ける」(業界筋)との声がある。ボルト1本でも欠ければ自動車は作れないだけに、日系メーカーにとっては死活問題となる。
さらに経営に重大な影響を与えるのが、蜜月関係にありながら資金確保のためそれぞれGMとフォード・モーターから株式を放出されたスズキとマツダだ。販売台数がトヨタのそれぞれ4分の1、6分の1という規模の両社に莫大(ばくだい)な出費が伴う環境技術の単独開発は難しい。仮にGMやフォードが破綻すれば次のパートナー探しが不可欠となる。スズキの鈴木修会長は「今後の提携は親子関係というより、普通の『親戚(しんせき)付き合い』のような(資本に依存しない)提携が増えるだろう」と次の展開を読む。
いずれにせよ、日本勢による積極支援は考えにくい。GMやフォードは「サターン」「サーブ」「ボルボ」などのブランド売却による略の見直しを計画に盛り込んだ。しかし、世界中の自動車市場が低迷し、メーカーの経営状態が悪化するなかで、日本はおろか中国やインドなど新興国メーカーですら、「買収する余裕はない」(日系メーカー幹部)のが現状だ。
クライスラーへの出資を伝えられた日産自動車のカルロス・ゴーン社長も「M&A(企業の合併・買収)には資金が必要。メーカーの時価総額は直近で平均75%も落ちた。現下の情勢では無理」とあきらめ気味だ。ただ、クライスライーは今回の再建計画で日産との協業強化を盛り込んでおり、両社の間には温度差がありそうだ。(田端素央)
|