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12月11日2時1分配信 毎日新聞
何かを見た時の脳の活動パターンを読み取り、コンピューターの画面上に画像として再現する技術を、国際電気通信基礎技術研究所(ATR、京都府精華町)などのチームが世界で初めて開発した。現在は簡単な記号や文字しか再現できないが、将来的には夢を映像化できる可能性もあるという。11日付の米科学誌「ニューロン」に発表した。
人間の視覚情報は、脳の後ろにある視覚野で処理される。その際、見たものの違いによって視覚野の活動パターンが微妙に変わる。ATR脳情報研究所の神谷之康・神経情報学研究室長らは、視野を100個のマス目に分割し、脳の活動パターンから一つ一つのマス目の明るさを推定して白黒で再現する手法を開発した。
まず、マス目をさまざまな明るさで埋めた440種類の画像を被験者に見せ、視覚野の血流量の変化をfMRI(機能的磁気共鳴画像化装置)で計測。データをコンピューターに「学習」させた。続いて被験者に、学習段階では見せなかった四角形や×、アルファベットなどの絵を見せたところ、不鮮明ながらほぼ完全に再現できた。計6人の被験者で実験したが、全員で成功したという。
また赤と緑の色を判別したり、実際に見せなくても頭に思い描いた図形を再現できたケースもあった。神谷室長は「身体障害などでコミュニケーション手段が限られる人に、新しい意思表示手段を提供できる」と話す。【西川拓】
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