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1月20日21時45分配信 産経新聞
【ワシントン=有元隆志】米国のオバマ新大統領は20日の就任演説で、「責任の時代」を呼びかける。政府、国民が結束してそれぞれの責務を果たさなければ、イラク、アフガニスタンでの2つの戦争に加え、金融危機、景気後退に直面している厳しい状況を克服できないとの危機感が背景にはある。大統領選を通じて人種、党派の壁を乗り越えて国民の団結を訴え、熱狂的な支持を集めたオバマ氏だが、就任直後から試練を迎えることになる。
・写真で振り返るオバマ氏の“チェンジ”
「責任」に重きをおいたのは、同じ民主党のケネディ元大統領が1961年の就任演説で、「国があなたのために何をしてくれるかを尋ねるのではなく、あなたが国のために何ができるかを尋ねてほしい」と訴えたのを意識したとみられている。
オバマ氏は19日の集会でも「政府としてやるべきことはやるが、政府がやれることには限りがある」と述べ、改革実行には国民の協力が不可欠との考えを示している。
オバマ氏は就任後、まず政府の「責任」を目にみえる形で示すため、イラクからの16カ月以内の米軍戦闘部隊の撤退指示や、キューバのグアンタナモ米軍基地内にあるテロ容疑者収容所閉鎖の大統領令を出すことにしている。
大統領選では指導者としての経験不足を批判されてきただけに、言葉だけでなく実行力があることを内外に示す効果も狙っているようだ。
共和党大統領候補だったマケイン上院議員と比べ、党派を超えた取り組みに欠けているとの指摘もあったが、就任前日の19日にはマケイン氏らとの夕食会を開いたほか、保守派コラムニストとも夕食を共にしながら懇談するなど、超党派の取り組みをアピールしている。
ただ、アフガンに米軍を増派しても、ただちに効果は上がらないとみられる。景気後退も長期化の様相を示すなど、オバマ氏を取り巻く情勢は容易ではない。16年ぶりに7・2%まで上昇した失業率がさらに増え続けるような事態になれば、期待は失望に変わりかねない。
オバマ氏としては、国民の協力を求めながら、300万人の雇用創出を柱とする景気対策の早期実現を図ることで、危機からの脱却を図りたい考えだ。
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