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1月22日21時24分配信 産経新聞
自民党は22日の財務金融部会と政調審議会で、法案の付則に消費税増税の方針を明記した平成21年度税制改正関連法案を了承した。自民党内から増税時期の明記への反対論が出ていたため、「23年度までに必要な法制上の措置を講ずる」とする一方で、増税の施行期日は別の法案で決める「準備と実施の2段階方式」を採用し、増税先送りに余地を残す表現とした。政府は23日中に同法案を閣議決定する。衆院採決で造反を辞さない構えだった自民党の中川秀直元幹事長ら反対派の多くが法案容認を表明したことから、麻生政権は消費税をめぐる政局の混乱を回避することになった。
麻生政権を揺るがしかねない消費税問題が急転直下、決着し、反対派からも「平成23年度に増税する表記は撤回された」(中川氏)「懸念はかなり取り除けた」(塩崎恭久元官房長官)と評価の声が相次いだ。しかし、関係者の綱渡りのような調整による妥協だった。
麻生太郎首相は22日夜、消費税問題が決着したことについて、「意見が出ることはいいことだが、決まった以上は従ってもらう」と述べた。
その麻生首相や党執行部にとって最大の難関は中川氏だった。説得の担当だった保利耕輔政調会長は21日、電話をかけただけで付則の修正案さえ示さなかったため、中川氏は態度を硬化させてしまった。
慌てた河村建夫官房長官は同日夜、都内で中川氏を説得した。
「消費税の必要性は分かるが、なぜ今出す必要がある。若い議員の気持ちもくんでほしい」
中川氏は付則の修正文を見ながら約1時間にわたって批判を展開。河村氏はうなずきながら聞き続けた後、こう言って深々と頭を下げた。
「責任政党として方針を示す必要はあります。なんとか協力をお願いします」
ひたすら低姿勢の河村氏を前に中川氏も次第に軟化、最後は「予算には全面的に協力する。離党はしないよ」と語った。“決着”の瞬間だった。
町村派の最高実力者、森喜朗元首相が22日付朝日新聞のインタビューで、中川氏を「完全に反乱だ。(派の)代表世話人を辞めて(反対行動を)やるべきだ」と牽制(けんせい)したのだ。中川氏には「大人の対応」(周辺)をとる必要があった。
修正案が、消費税増税の準備と実施の「2段階方式」をとったことが事態打開のカギとなったが、自民党税制調査会幹部の町村信孝元外相、伊吹文明前財務相らがまとめたものだった。
中川氏は15日の町村派総会後、付則の原案について「町ちゃんよ、23年度から増税としか読めないじゃないか」と批判した。
町村氏は中川氏の指摘を受けて「読めないようにすればいいんだ」と2段階方式を思いつき、伊吹氏に連絡をとった。税調幹部は自民党大会のあった18日の会合で、修正案をまとめた。
だが21日、首相官邸で開かれた麻生首相や党執行部らの会合で、与謝野馨経済財政担当相が修正案から「増税の施行期日を決める別の法案」に言及したくだりをいったん削除。「それじゃダメだ。まとまらない」(町村氏)との税調側の巻き返しで、元に戻る一幕もあった。
安倍晋三元首相は21日夜、萩生田光一、西村康稔の両衆院議員らとの会合で反対派の世耕弘成参院議員を前にこう呼びかけた。
「こんなことで政局にしてはいけない」
安倍氏は17日夜、都内の首相の私邸で約1時間にわたって会談した。麻生−安倍の盟友関係を町村派の中堅・若手に示して足並みの乱れを押さえ込む狙いがあった。
山本一太参院議員ら中堅・若手の反対派グループ「国民視点の政策を実現する会」は中川氏と連絡を取り合ってきたが、修正案を知った21日夜、矛を収めた。自民党ベテランは22日、こう語った。「みんな選挙対策で騒いだだけだ。政局にする覚悟はなかったんだろう」
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