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5月1日11時40分配信 毎日新聞
【ワシントン斉藤信宏】経営危機に陥っていた米自動車大手クライスラーは30日、ニューヨーク州の破産裁判所に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)に基づく会社更生手続きの適用を申請、経営破綻(はたん)した。これに先立ち、オバマ米大統領はホワイトハウスで声明を発表し、「クライスラーはより強く、競争力のある企業として復活する」と述べ、再建を全面支援する方針を強調。イタリアの自動車大手フィアットとクライスラーとの資本・業務提携が合意に達したことを明らかにした。
クライスラーは破産手続きに入るが、フィアット傘下での経営再建を目指す。米自動車大手3社(ビッグ3)では初めての経営破綻で、同様に経営再建を進めているゼネラル・モーターズ(GM)の再建の行方にも影響を与えそうだ。
米政府はクライスラーに対し、破産手続き中の運転資金として30億〜35億ドル、再建完了後の設備投資資金として45億ドルの融資を決めた。また、カナダ政府も約20億ドルの支援に踏み切る方針で、クライスラーへの新たな支援額は両政府で計100億ドル余り(約1兆円)にのぼる公算となった。
クライスラーのナルデリ会長兼最高経営責任者(CEO)は、経営再建後に辞任する意向を表明した。負債総額は08年12月末時点で552億3300万ドル(約5兆5000億円)にのぼる。
クライスラーは、米政府が支援の条件としていた4月30日を期限とする銀行やファンドなど債権者団との債務削減交渉が29日深夜に不調に終わったため、破産法申請の可能性が濃厚と伝わっていた。クライスラーと米政府側が計69億ドル(約6800億円)の債務を22.5億ドルに削減する案を提示し、大手金融機関などほとんどの債権者と合意していたが、一部のヘッジファンドが難色を示し、合意には至らなかった。
クライスラーは98年、ドイツのダイムラー・ベンツ(現ダイムラー)と合併。「ダイムラークライスラー」として成長を目指したが、商品力の弱さから販売不振に陥り、07年に合併を解消。米投資ファンド、サーベラス・キャピタル・マネジメントの傘下で再生を目指したが、ガソリン価格の高騰や米国の金融危機などで経営危機に陥った。
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