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5月29日23時43分配信 読売新聞
【ソウル=前田泰広】自殺した盧武鉉(ノムヒョン)・韓国前大統領の国民葬の「永訣(えいけつ)式」が29日、ソウル市内で行われ、18万人が故人を見送った。
支持者や最大野党の民主党は、李明博(イミョンバク)政権が盧氏を死に追いやったと非難。ソウルでは夜まで、支持者らによる追悼行事が行われるなど同情は国民の間に急速に広がっており、政府と与党ハンナラ党は反政府運動への発展を警戒している。
朝鮮王朝の王宮「景福宮」で行われた永訣式では、民主党議員が「謝れ」と叫び、献花の順番が回ってきた李大統領に近づこうとして警護官に取り押さえられた。遺族席からも「献花する資格はない」と怒声が飛んだ。
盧氏の遺体を乗せた車がソウル市庁舎前の広場に向かったが、沿道は支持者のシンボルカラーである黄色の風船が目立ち、「殺人魔」と李大統領を中傷する落書きもあった。
「政権が交代して初めて、盧氏が優れた人物だったとわかった」。こう話す主婦(50)は、米国旅行を切り上げて帰国したという。南東部の大邱市から駆けつけた男性(52)も「盧氏の政策には反対したが、自殺せざるを得なかったことを気の毒に思った」と同情を寄せた。
盧氏の死去後、全国の焼香所には400万人以上が訪れ、テレビやインターネットは連日、盧氏の素朴な人柄や、権力者におもねらなかった若いころの政治活動を紹介。主要テレビ3局が生中継した永訣式の視聴率は、平日午前にもかかわらず、38・3%に達した。
韓国では昨春、米国産牛肉の輸入再開問題に端を発した大規模な反政府運動が起きた。盧氏への同情が、李大統領に退陣を求める動きに火を付ける可能性もあり、大統領府関係者は「同情論が反政府運動に利用されないかどうか注視している」と懸念している。
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