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6月11日23時22分配信 毎日新聞
【ジュネーブ澤田克己】AP通信によると、世界保健機関(WHO)は11日(日本時間同日)、新型インフルエンザの警戒度を現行の「フェーズ5」から、世界的大流行(パンデミック)を意味する「6」へ引き上げると加盟国に通告した。インフルエンザのパンデミック発生は、世界中で約100万人が死亡した1968年の香港風邪以来41年ぶり。
WHOは同日開いた専門家による緊急委員会や、前日までの各国との協議を総合的に判断してフェーズ6を宣言した。
現行規定に基づくフェーズ6引き上げの条件は、世界の複数地域で「地域社会レベルの持続的感染が起きている」ことだ。メキシコと米国に加え、日本や英国などで感染が拡大したうえ、これから冬に向かう南半球のオーストラリアでの感染が1200人以上と急拡大していることを重視したとみられる。
ただ、現段階ではウイルスは大きな変異を起こしておらず、特に治療の必要がない程度の軽症患者が多いため、WHOは各国への説明で、「(新型インフルエンザは)重症度からみると世界的に中等度となっていると言える」とし、各国に「国境封鎖や旅行・貿易の制限はしないよう」呼びかけた。
WHOは5月の総会時、パンデミック宣言がもたらす社会的混乱を恐れる日本や英国などからの反発を受けて、基準見直しを表明していた。だが、インフルエンザ対策責任者のケイジ・フクダ事務局長補代理はその後、「専門家会合では地理的要件を重視する従来基準を維持すべきだという勧告が出された」と会見で語るなど軌道修正を図っていた。
一方、フクダ氏は同時に「地理的な広まりと重症度は別の問題だ」と強調している。
WHOは4月24日、メキシコで豚インフルエンザ感染を疑われる死者が多数出ていると発表。それまで「フェーズ3」だった警戒度は、同月27日に新型インフルエンザ発生を意味する「4」、29日にパンデミックが目前に迫っていると警告する「5」へと引き上げられていた。
WHOによると感染者は世界74カ国で2万7737人、死者は141人にのぼっている。
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