政治

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7月21日11時48分配信 毎日新聞

「与党ぼけ」「がけっぷち」「バンザイ」。永田町でそんな呼び方も飛び交う今回の解散を、どう読み解くか。それぞれの分野で活躍する3人に名を付けてもらった。

 ◇デッドエンド 作家・高村薫さん

 自民党も解散日程も国民感情も、すべてがデッドエンド(行き止まり)の解散だ。

 自民党は、麻生政権が誕生してすぐ解散があるように言ったが、年を越し、春が来てもまだしなかった。決断を先送りし、解散せざるを得ないところまで引っ張った。待たされた国民も、気分的に行き場のない状態になっってしまった。

 過去の選挙では、野党がどれだけ躍進しようが、自民党が下野しようが、自民党そのものは生き残ってきた。今回はそれも難しい。麻生首相が就任してすぐに解散していれば、たとえ負けたとしても内部崩壊まではしなかったと思う。今回の選挙で自民党は終わるかもしれない。いつもとは選挙の意味合いが違うと思う。

 ◇笛吹き男 独協大教授・森永卓郎さん

 麻生さんはみんなを道連れに自民党を破滅させてしまうだろう。小泉チルドレンも壊滅かもしれない。ねずみ退治の笛吹き男が、子供たちを街から連れ去り消えてしまったグリム童話「ハーメルンの笛吹き男」のようだ。

 救いの神になるはずだった麻生さんには秘策もなくて、結局は自分のことしか考えていなかった。一日でも長く首相をやっていたかったのだろう。小泉元首相は「自民党をぶっ壊す」と宣言して延命したが、麻生さんは黙って壊してしまった。

 もっと早く解散していたら打撃は少なかったと思うが、もはや立ち直れないだろう。選挙後は大量に脱藩者が出る可能性があるし、今のような自民党は消えるかもしれない。歴史に残る解散になる。

 ◇タイタニック 放送プロデューサー・デーブ・スペクターさん

 古い自民党が沈没しようとしている。麻生自民党はずいぶん前から目の前にある氷山に気づいていたのに、何もしないまま衝突してしまった。楽観的な船長が「そのうち氷山は解けるはず」とかじを切らず、助言する人もいなかった結果だ。

 映画は大ヒットしたが、今の自民党にはレオナルド・ディカプリオのようなヒーローがいない。出演者は中年の政治家ばかりでドラマとして絵にならず、同情も集められない。国民には魅力のない映画だろう。

 ただ、今回はムードや政治家個人への賛否ではなく、首相に誰がふさわしいか考えて投票する選挙になる。自民党にとっても、長く続きすぎた帝国を内側から治療できる好機になるのではないか。

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