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10月5日16時57分配信 夕刊フジ
球団創設5年目で初のクライマックスシリーズ(CS)出場を決めた楽天。それでも、今季限りで契約の切れる野村克也監督(74)のクビは決定的となっている。
チームの歴史的な躍進と、監督のクビという相反する事態の中、いまだに球団からは野村監督に対し、去就に関する話は何もないという。球団は、ファンや世論の反発を恐れて、表立ってクビを通告できないというのが実情だ。
楽天は3日の西武戦でCS出場を決定。ところが球団の悲願が懸かった大事な試合に、三木谷浩史球団会長(44)、島田亨オーナー兼球団社長(44)の2トップの姿は不在。球団を通じて2人のコメントが発表されたが、その内容には、弱小球団を4年でここまでにした野村監督の「野」の字もなかった。
三木谷会長は一夜明けた4日の西武戦を前にKスタ宮城に姿をみせ、野村監督と握手。これにはチーム内からも「昨日(3日)来ないで今ごろ何しに来たんだ」と冷ややかな反応だった。
監督人事について三木谷会長は「俺に聞いても何もないから。俺に決定権はない。(島田)オーナーに聞いて。とりあえず今は(CSの)地元開催(2位以内)を目指して頑張ってくれれば、それでいいんじゃないですか」と逃げの一手。
一方、野村監督は「どうせ俺はクビだから。来年続投とか、解任という話がないと言うことは終わりでしょ? 常識的にそうだよな。10月なんだから。(米田球団)代表には『早く結論をくれ』って言っているんだ。俺だって来年の就職があるんだから」とすでに腹はくくっている。
球団がクビを通告できないのは、“田尾騒動”の二の舞いを恐れているからだ。2005年、楽天は38勝97敗1分け、勝率.281という記録的な惨敗で最下位となった初代・田尾監督を1年で解任。仙台では解任反対運動が起こり、身の危険を感じた球団トップが、東京に家族を避難させる事態となった。
それでも、田尾監督には本拠地最終戦前に突然クビを通告したため、ファンの反発は最小限に抑えられた。しかし、今回は本拠地の試合がまだ3試合残っており、もし現段階で野村監督にクビを通告すれば、残り試合はファンの暴動など、タダでは済まないのは間違いなく、球団は今回も通告は最後の最後で、と考えているようだ。
また現在のプレーオフ制度が導入されて、過去パ・リーグ5年、セ・リーグ2年で10人の監督が出場しているが、その年限りで退任したのは、一昨年の日本ハム・ヒルマン監督と、昨年の阪神・岡田監督の2人だけ。それも本人からの申し出による辞任だ。球団からクビを切られた監督は1人もいない。しかも通告を引っ張るだけ引っ張って、最後にクビを通告するとなれば、こんな非常識な話はない。
パ・リーグ2位の楽天は4日の西武戦に2−6で敗れたが、3位のソフトバンクも敗れたため、2位確定マジックは「4」に減り、地元仙台でのCS開催へまた一歩前進した。野村監督は“非常識な球団”を困らせるためにも、まだまだ勝ち続けるつもりだ。(塚沢健太郎)
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