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12月1日9時13分配信 読売新聞
子供の暴力の4件に1件は、相手を負傷させるほどエスカレートしていた。文部科学省が30日公表した問題行動に関する調査は、暴力行為が過去最多を記録。内容も悪質化していた。
今年9月、栃木県日光市の市立中学校。放課後の教室で、3年男子が女性教諭の顔などを殴り全治1週間のけがを負わせた。市教委によると、宿題の作文を書いておらず、その場で書くよう指導されただけで突然キレたといい、無抵抗の教諭を殴ったりけったりした。
「意思疎通が下手で、言葉にする前に手が出る子供はますます増えている」。神奈川県の中学校の女性スクールカウンセラー(45)は話す。今回の調査で、同県は暴力行為の件数が9232件と全国最多だった。カウンセラーは、家庭の経済的な困窮を背景に、ストレスをため込んでいる子供が増えたと指摘。「ささいなことで感情を爆発させる子にそうした子供が多い」と話した。
一方、学校がいじめを把握した件数は大幅に減ったが、山形県高畠町の会社員渋谷登喜男さん(57)は「いじめを把握できないのは、子供が本音を明かさないためです」と語る。
高校2年だった長女の美穂さん(当時16歳)は2006年11月、校内で飛び降り自殺した。死後、美穂さんの携帯電話から、いじめを受け自殺を決意したことをうかがわせる本人の書き込みが見つかったが、県教委は「いじめは確認できない」とした。
今回の調査で「いじめゼロ」だった学校は、個別面談や家庭訪問の実施率が低い傾向があった。学校側の責任を問い、県と裁判で争っている渋谷さんは、「教師が忙し過ぎて子供と向き合えていない。学校現場で心や命の問題がおろそかになっている」と訴えている。
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