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12月2日7時56分配信 産経新聞
日銀は1日、臨時の金融政策決定会合を開き、10兆円規模の新たな資金を市場に供給する追加金融緩和策の導入を決めた。3カ月の固定金利で、利率を政策金利と同じ年0・1%と極めて低く設定し、金融機関が資金をやりとりする金融市場に供給する。進行するデフレに加え急激な円高が企業心理に悪影響を与えるなか、流通する資金の量をさらに潤沢にすることで、経済活動の下支えを狙う。
新たな資金供給策は、国債や社債などが担保となる。時限措置ではなく、3カ月ごとに無期限で借り換えができる仕組みとし、当面10兆円をめどに供給する。入札枠は、需要に応じて増額も検討する。
白川方明総裁は会合後の記者会見で「現在の金融緩和を一段と浸透させる。金融機関の行動が制約され、流動性が不足しないように量を供給していく。広い意味での量的緩和だ」と述べた。
政府はデフレや円高対策を盛り込んだ第2次補正予算案の成立を急いでいるが、これが国債の増発につながれば、長期金利が上昇する恐れがある。政府から日銀には一層の金融緩和を求める声が強まっていた。
白川総裁は「3カ月固定の金融緩和に踏み込んだことで、長めの金利のさらなる低下を促す」と追加策の狙いを説明。「政府の取り組みとあいまって、経済回復をしっかり支援していく」と述べ、政府と歩調を合わせる姿勢を強調した。
鳩山由紀夫首相と白川総裁は2日、首相官邸で会談する。急激な円高やデフレについて意見交換する予定だ。鳩山首相は1日夕、日銀が発表した追加の金融緩和策について「政府と日銀が認識を共有できたということは大変喜ばしい」と記者団に語った。
【用語解説】量的緩和
通貨供給量の拡大を目的とする金融政策。政策金利がゼロに近づき、金利の引き下げによる金融緩和が難しい場合に実施され、企業の借り入れや個人消費など経済活動の活性化が期待される。
日銀はデフレ脱却を図るため平成13年から18年まで実施。民間金融機関の手元資金量を示す日銀当座預金残高を増やすことで通貨供給量を拡大させた。20年9月の金融危機後は、米国や英国が長期国債などの金融資産を購入する類似の政策を採用している。
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