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2月7日21時11分配信 毎日新聞
世界ボクシング協会(WBA)フライ級タイトルマッチ12回戦が7日、神戸・ワールド記念ホールで行われ、同級11位の亀田大毅(21)=亀田=は昨年10月以来の再戦となった王者のデンカオセーン・カオウィチット(33)=タイ=に判定3−0で勝ち、世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王者の兄興毅とともに国内初の兄弟世界王者となった。デンカオセーンは3度目の防衛に失敗。男子で国内ジム所属の現役世界王者は、史上最多タイの7人に増えた。
また、WBA女子スーパーフライ級タイトルマッチ10回戦もあり、王者の天海ツナミ(25)=山木=が同級9位、シャニー・マーティン(28)=英国=を3−0の大差の判定で降して初防衛に成功した。国内の女子世界王者は4人のまま。
【略歴】亀田大毅(かめだ・だいき) 89年1月6日、大阪市出身。「亀田3兄弟」の次男。04年5月、史上最年少の15歳3カ月で全日本実業団選手権バンタム級優勝。06年2月にプロデビューし、18歳だった07年10月に世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王者の内藤大助に挑戦して判定負け。この試合での反則行為により1年間のボクサーライセンス停止処分を受けた。08年11月に復帰し、昨年10月にデンカオセーンに挑んだが判定で敗れ、今回が3度目の世界挑戦だった。右ファイター。戦績は18戦16勝(11KO)2敗。
≪日本の他の現役世界王者≫▽WBCフライ級=亀田興毅(亀田)▽WBAスーパーフライ級=名城信男(六島)▽WBCバンタム級=長谷川穂積(真正)▽WBCスーパーバンタム級=西岡利晃(帝拳)▽WBAスーパーフェザー級=内山高志(ワタナベ)▽WBAスーパーウエルター級暫定=石田順裕(金沢)
○亀田大毅3−0デンカオセーン・カオウィチット●
スピードに勝った亀田大が、終盤にデンカオセーンのスタミナ切れを誘った。序盤は王者がボディーを有効に決め、優位に進めた。しかし、亀田大は素早い動きで攻撃をかわしながら、踏み込んでの左フックを軸に挽回(ばんかい)。クリンチで逃れる作戦に出た王者は六、十一回の2度、ホールディング(相手の腕や体を抱え込む反則)で減点となったのも痛く、終盤の打ち合いは亀田大が制した。
◇亀田大、スピードで王者を圧倒
勝負の分岐点は六回だった。王者がホールディングを取られて1点の減点。序盤はやや劣勢だった亀田大だが、この反則の直後に「相手が乱れてきている」という実感が生まれた。
伏線はあった。クリンチでかわす王者得意の戦法に、何度も身ぶりで不満をアピール。クリンチ状態からのスリップは6回を数えた。デンカオセーンは十一回にも同じ反則を取られて戦意を失う。
もちろん、亀田大の成長もあった。王者が「すばしこかった」と称したスピードで圧倒。足を使ったアウトボクシングに徹し、12歳年上となる王者のスタミナを奪ったことが勝利の要因となった。
父史郎氏は「小さい時から1番になったことがない子。世界戦も2回負け、トラウマもあったと思う」と語る。この壁を破るため、3兄弟の中でも「練習嫌い」と評判の次男が今までにないトレーニングを積んだ。ビルドアップされた肉体が、その成果を物語る。
ただ、本人も認めるように試合内容自体は褒められたものではない。スピードでかく乱し、鋭い左フックを放つ新境地も見せたが、そこから右のコンビネーションにつなぐまでには至らなかった。王者のクリンチもあり、攻めあぐねた場面が目立ったのも事実だ。
兄弟王者の偉業について、「21年間で最大の仕事はやり遂げた。仕事の内容はあれだけど……」と語った亀田大。今後の防衛戦で真価を問われる自覚はあるようだ。【堤浩一郎】
○…デンカオセーンは、ホールディングによる2度の減点を「あれで気落ちして、スピリットが落ちてしまった。ジャッジは減点すべきじゃなかった」と判定への不服を口にした。前回の対戦同様、中盤以降は足が止まったが「逃げずに打ち合いに持っていこうとしたから」と、スタミナ不足との指摘を否定。今後も現役続行の意向を示し「(亀田大と)もう一度やりたい。必ず勝つ」と話した。
○…女子の天海は王座獲得から1年ぶりの試合で、ブランクを感じさせない俊敏な動きを見せた。身長で8センチ上回る挑戦者を相手に「打ち終わりに懐が空くので、そこを詰めた」と長いリーチをかいくぐり、左右の連打を面白いように決めた。それでも、「倒すことを目標に鍛えてきたので、まだまだ」。満足せず、次を見据えた。
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