年金

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毎日新聞 3月9日(水)1時9分配信

専業主婦ら第3号被保険者(3号)の年金切り替え漏れ問題で、政府は8日、希望者には過去の保険料納付期限(2年)を届け出漏れ時点までさかのぼっての納付を認めること(特例納付)や、納付しない場合は切り替え漏れ期間を公的年金の加入期間に算入する一方で、年金給付額には反映させないこと(特例カラ期間)などを柱とする新たな救済法案の骨子を決めた。3年間の時限立法で、今国会に国民年金法改正案を提出する。併せて、1月にスタートした課長通知による救済制度「運用3号」は8日付で廃止した。

 枝野幸男官房長官と細川律夫厚生労働相、片山善博総務相が同日夜、首相官邸で協議して合意し、菅直人首相も了承した。ただ、野党が賛成に回る見通しは立っていない。

 従来の制度では、未払いの保険料は直近の2年分しか納められない。このため、切り替え漏れ期間が長ければ低年金となったり、年金受給に必要な25年の加入期間を満たさず、無年金になる人が出てくる可能性がある。

 そこで政府は(1)2年を超えて保険料を後払いできる特例納付の実施(2)後払いをできない人も、年金は増えないものの、切り替え漏れを届け出れば、その期間を公的年金への加入期間として認める−−を柱とする立法措置をすることにした。昨年までに切り替え漏れを届け出ながら、救済制度がなかったために「未納」扱いになっている人にもさかのぼって適用する。

 10月に一斉調査し、届け出をしないまま既に年金を受給している高齢者も新たな措置の対象とする意向だ。ただ、年金の減額や過払い分の返還が発生し、高齢者の生活に大きな影響を与えることから、運用にあたっては慎重に検討する。

 「運用3号」は、届け出漏れのあった人に、直近2年分の保険料納付を義務づけながらも、残りの期間の未納は帳消しとし、保険料を満額納めてきた人と同額の給付をする制度。厚労省は2月24日から一時停止していた。【山田夢留】

 ◇公平運用なお課題

 政府が8日公表した、年金切り替え漏れの主婦らを対象とした新たな救済法案は、「不公平」との批判を招いた「運用3号」の反省を踏まえ、公平性を重視している。

 新制度は、運用3号と違って未納期間分の給付は認めない。また、運用3号は今年1月以降の届け出が対象で、昨年までに切り替え漏れが分かった人は「未納」として処理されていたが、新制度は過去に届け出た人も対象に含める。

 半面、切り替え漏れを放置し年金を受給している高齢者にも新制度を適用し、新たな未納期間が判明すれば過払い分の返還や年金減額を求める、という。

 しかし、こうした強硬策は対外的に「公平性」を強調することを狙って、あえて含めたようだ。厚生労働省幹部は「憲法の財産権との関係で、実際に減額を求めるのは難しいかもしれない」と漏らす。

 一方で、届け出漏れ時点にさかのぼって保険料を後払いし、満額受給できる道も残すことで「救済色」を出した。それでも月1万5100円(10年度)の国民年金保険料を何年分も払うのは、資産や所得のある人でなければ負担が大きい。

 厚労省は短期間での方針転換を嫌って後手に回った。運用3号を疑問視する声が広がったのは2月16日の総務省の年金業務監視委員会。それから厚労省が2月24日に制度を一時停止するまで1週間。廃止方針表明は2週間以上後の6日だった。結局、体面を重視した揚げ句、倒閣に走る野党に廃止に追い込まれたものの、新制度も野党の賛同を得られる保証はない。【鈴木直】


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