|
毎日新聞 3月23日(水)20時6分配信
東日本大震災の影響で需給が逼迫(ひっぱく)したガソリン、灯油など燃料不足が解消に向かいつつある。被災した東京湾岸の複数の製油所が操業を再開し、被害がなかった西日本地域の製油所は東北・関東向けにフル生産を続けている。石油連盟によれば燃料不足は関東地方では今週中にほぼ解消し、東北地方も営業再開できたスタンドでの不足は今月中に解消する見通しだ。しかし営業再開できていないスタンドも多く、被災地に十分に行き渡るにはまだ時間がかかりそうだ。【米川直己、浜中慎哉、増田博樹】
JX日鉱日石エネルギーは、被災した根岸製油所(横浜市、精製能力日量27万バレル)の操業を21日に再開。水島製油所(岡山県)と大分製油所(大分市)と合わせ、震災前に比べ日量5万バレル増産している。鉄道輸送に加え、被災で90台にまで減ったタンクローリーを今後150台に増やし、陸上輸送態勢も強化を図る計画だ。
コスモ石油も四日市製油所(三重県)と坂出製油所(香川県)で増産を進め、火災が発生した千葉製油所(千葉県、同日量22万バレル)も無事だった在庫分の出荷を準備中。輸出停止や緊急輸入分を合わせると、原油処理能力は月末には地震前の約8割まで回復する見通しという。
出光興産では被災した宮城県塩釜市の塩釜油槽所が操業を再開した。同所は陸揚げした石油製品をタンクローリーに積む基地で、21日に震災後初めて石油タンカーが接岸した。
こうした動きによって燃料不足は徐々に解消に向かっている。経済産業省によると、関東地方への出荷量は23日までにほぼ平年並みに回復。東北向けは同じく1日当たり2.2万キロリットルと、通常必要な同3.8万キロリットルに届いていないが、増産や緊急輸入、輸出停止などで必要量は確保した。経産省幹部は「数日中には十分な量が届けられるよう努力したい」と話す。
東京都内のスタンドは、都心部では平常に戻りつつある。「先週は1時間待ちだったが、週明けから落ち着きました」。中央区のエネオス茅場町SS店の男性店長(41)はこう話す。同店前に給油待ちの渋滞はなく、給油した都内の男性会社員(55)は「先週は残量を気にしながら走ったが、今は気にせずに走っている」と話した。
一方、宮城県では仙台市を中心に営業を再開するスタンドが増えつつあるが、県内全体の営業店は2〜3割程度にとどまっているもようだ。県外からの救援車両などが急増し、品切れで閉店しなければならない店もある。
業界団体の宮城県石油商業協同組合幹部は「油は東北に来るようにはなった。しかし、地震や津波で壊滅的被害を受け、再開が難しいスタンドが県内全体の3割に上っており、スタンドの絶対数が足りない。平常化にはしばらくかかるだろう」と話す。
|