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河北新報 3月24日(木)6時14分配信
東京電力福島第1原発の事故の影響で、政府が23日、福島県産の葉物野菜などに摂取制限と出荷停止を指示したことに対し、福島県内の農業関係者などは重苦しい嘆きと憤りに包まれている。(福島総局)
「先が見えれば我慢もできるが。被害に終わりがない」。福島県農協中央会の長島俊一常務理事の表情は暗い。「もう風評被害の段階を超えた。出荷自体ができなくなってしまった」と話す。
福島県の野菜の産出額(2009年)は540億円で全国15位。県の農業産出額の2割強を占める。松本友作副知事は会見で「県にとり痛恨の極み。国と東電には一刻も早く収束させるよう求める」と口調を強めた。
政府のモニタリングで最も高い放射性セシウム(8万2000ベクレル、基準値の164倍)が検出された本宮市のクキタチナ。みちのく安達農協によると、ほとんどが直売所への出荷か自家消費という。
同市南部の農業女性(80)は「春先の貴重な葉物野菜で、自分もよく食べる。直売所に出すと喜ばれたけれど」と肩を落とす。
「ハウス栽培なのに、福島県産だからと一切が駄目になった。出荷停止の対象が増えていき、栽培できる作物がなくなってしまう」と話すのは西郷村の農業高橋正人さん(48)。昨秋、ハウス3棟を建てたが、このままでは借金だけが残る。「いっそのこと、ことしは県産野菜の出荷をやめ、きちんと補償するべきだ。このままでは、じわじわと首が絞められていくようだ」と訴える。
消費者への影響も大きい。会津若松消費生活研究会の小沼光子会長は「健康な生活を送るために野菜は必要。放射能の影響を判断できない消費者は途方に暮れてしまう。広い県内には安全な生産地もあるはず。県単位ではなく、地域ごとに検査して細かく規制するべきだ」と注文を付けた。
流通業も対応に追われている。福島県を中心に宮城など5県に170店を展開するヨークベニマル(郡山市)は23日朝、出荷停止の情報を受け、対象のブロッコリーやコマツナなどを撤去した。ホウレンソウなどは集荷を変更して九州から仕入れている。同社企画財務室は「野菜がなくならないよう、他の産地から集荷して何とか対応したい」と話した。
[福島県内の放射能汚染] 20日の県の調査で飯舘村の水道水から飲用の基準値(1キロ当たり300ベクレル)を超える965ベクレルのヨウ素131を検出。住民に飲用を控えるよう求めた。伊達市など5市町の水道水から乳児の飲用に関する基準値(1キロ当たり100ベクレル)を上回るヨウ素131を検出。国は22日、乳児の飲用を控えるよう要請。農産物について国は21日、ホウレンソウとカキナ、原乳の出荷停止を指示。23日、食品衛生法の暫定基準値を超えたため、葉物野菜など11品種について摂取制限を指示した。
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