医療

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産経新聞 3月31日(木)7時56分配信

■電気、水確保困難 「素早い対応を」

 東日本大震災の被災地で壊滅的被害を受けた宮城県牡鹿半島にある唯一の総合病院が「牡鹿病院」だ。震災後、残された医師と支援に駆け付けた医師らが必死の診療を続けている。だが、“生命線”である電気や水の供給さえままならない状況に、対応にも限界が近づきつつある。(会田聡)

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 「82歳男性。低酸素血症。レントゲンが撮れないため、受け入れをお願いします」−。石巻市鮎川浜の市立牡鹿病院。避難所から運ばれてきた男性を乗せた救急車の横で、森俊平医師(34)は携帯電話で搬送先の石巻赤十字病院に伝えていた。

 「電気が復旧していないから検査が出来ないんです」。森医師とともに、仙台厚生病院から応援に来た中堀昌人医師(54)が歯がゆそうに語る。

 牡鹿病院は、津波で約1千人の遺体が見つかったとされる牡鹿半島で唯一の総合病院。震災が発生した11日以降、倒壊した家屋などで道路は遮断され、横山温院長(65)ら常勤医2人は、外来や往診、入院患者16人の対応に追われた。検査ができないためヘリコプターで搬送された重症患者も3人いる。

 震災時に派遣されていた医師から牡鹿病院の窮状を聞いた森、中堀両医師は応援を志願。同病院への通行が可能になった18日から順次、避難所生活の疲れで風邪や急性胃腸炎にかかる被災者のケアにあたった。

 横山院長は「2人が来てやっと外来、往診、入院の役割分担をできるようになった」と話す。ただ、ライフライン復旧の遅れが、医療活動の支障となっている。給水車で水を、非常用電源で夜間の明かりを確保するが、「(電源の燃料の)石油はあと10日も持たない」(横山院長)。暖房は中堀医師が仙台から運んだストーブ1台のみで、医師や職員はウインドブレーカーを着込んで診療にあたる。

 避難生活の疲れから、体調を崩す人は増えている。来院した三浦くにえさん(77)は鮎川浜の自宅が流され、避難所生活をしている。普段は車で30分ほどの石巻市中心部の病院に通うが、「ガソリンがないから歩いてきた。避難所にいたら寒くて風邪ひいたかも」。

 中堀医師は「これからストレスなどで胃潰瘍や十二指腸潰瘍にかかる患者が出てくるでしょう。患者の様態は一日一日と変化する。スピードのある対応が必要なんです」と訴えた。


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