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毎日新聞 4月6日(水)8時11分配信
穀倉地帯の仙台市東部地区は、東日本大震災の大津波で耕地面積の約8割が被害を受けた。水田はがれきと汚泥に覆われ、一部は海水につかったままだ。1300戸以上の農家の被害の全容もまだつかめず、JA仙台(宮城野区)で5日に開かれた農業災害復興連絡会では、その一部が報告されるにとどまった。今年の作付けはもちろん、今後数年間の耕作は絶望的だ。農家の人々は「絶望ではなく希望を」と、国策としての農地復興に望みを託す。【高橋宗男】
東部地区は仙台市内の耕地の約3割を占める田園地帯。地区の耕地約2300ヘクタールの1800ヘクタールが被災した。
若林区で農地21ヘクタールを営む農業、木村浩市さん(53)は「撤去しようとしても重機が浮くような大木だ。どこから手を付けたらいいのか」と途方に暮れる。近くの地域では住宅街が全壊し、木村さんの農地も97%が津波に襲われた。フォークリフト、田植え機、共同所有する乾燥施設。みんな海水をかぶって使えない。「借地料をどうすればいいのか」
木村さんは津波から逃れ、近くの中学校に避難。車椅子生活の父親(78)ら家族6人で、外に止めた車中で5夜を明かした。自宅は流されなかったが浸水した。親類の経営するアパートに移ったが「いつまでも甘えるわけにはいかない」と思う。
亡くなった知人らの苦しむ表情を思い出し、最近はよく眠れない。だが「俺が暗くなってたらだめだ」と自ら言い聞かせ、400年続く農家の18代目として「復興、それしかねえ」と地域の先頭に立つことを決めた。
水を漏らさない圃場(ほじょう)、排水施設、水路。復旧には莫大(ばくだい)な費用が必要だ。がれき撤去の後には汚泥除去、土壌に異物がないかも調べなければならない。塩害対応はその次という。どれほどかかるか予測もつかない。宮城県は津波被害を受けた水田を転作地扱いとするよう国に求めている。
「農家は昨年の収入で半年暮らす。専業農家ほど夏以降の収入がなくなる」。仙台東土地改良区の佐藤稔理事長(61)は5日の連絡会で指摘した。「真綿で首を絞められる苦しみが待っている。土木建築業者だけでなく、農家にも仕事がほしい」。農家は悲痛な叫びを上げている。
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