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河北新報 4月12日(火)15時20分配信
仙台市泉区の住宅地で、東日本大震災による崖崩れや陥没の被害が深刻化している。土砂崩れで1人が死亡し、埋もれたままの市道は復旧の見通しすら立たない。倒壊の恐れがある家屋が相次いだ地域もあり、余震や雨への不安が強まる。住民は「いつになったら安心して住めるのか」と困惑している。
泉区北中山3丁目。丘陵地帯の住宅地の崖が3月11日、幅112メートル、高さ18メートルに渡って崩落し市道をふさいだ。斜面を補強するコンクリートも壊れ、近所の70代女性が土砂に埋もれて死亡した。
現場近くに住む会社員高橋克也さん(49)は、近くの空き家を借りて避難した。直接の土砂被害はなかったが「家は傾き、基礎部分にひびが入った。住める状態じゃない」と気をもむ。
崖上の市道も深くえぐられた。周辺の家々は市の被災建築物応急危険度判定で「危険」「注意」と判定された。電柱が1本斜面にずり落ち、家屋に倒れかかりそうだ。
泉区によると、余震や大雨で土砂が流出する危険があるという。パートの奥山香代子さん(52)は「余震のたびに亀裂が広がっている感じがする。梅雨前に何とかしてもらわないと怖い」と話す。
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泉区松森の陣ケ原地区の一角では、七北田川につながる八沢川沿いの住宅11戸に被害が集中している。
八沢川の土手側に家屋が大きく傾いたり、家屋と庭の間に1メートル弱の段差ができたりし、大半の住民が自宅を離れた。
近くに避難する無職角田久さん(62)の自宅は、裏庭から家屋下に向かって土砂が大きくえぐられ空洞に。角田さんによると、日々深くなっているという。
「いつ家が崩れるかと思うと怖い。直せるなら住みたいが、先が見えない」と困り果てる。
市道に大きな段差もでき、11日現在、水道やガスは復旧していない。住民らは要望をまとめて市に提出するという。
自宅に残る介護職員本田加寿子さん(40)は、姉を東松島市で亡くした。「津波被害に比べればましかもしれないが…。今後の見通しが立たなくて困る」と話している。(片桐大介)
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