国家行政

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産経新聞 4月21日(木)19時32分配信
 菅直人首相が21日に訪問した福島県田村市の市総合体育館では、東京電力福島第1原子力発電所の周辺住民ら約60人が避難生活を続けている。原発事故から1カ月以上も経過後の初訪問に「もっと早く来てほしかった」「早く事故の収束を」といった不満の声が相次いだ。

 同市によると、20日現在で避難しているのは同原発が立地する大熊町の34人をはじめ、葛尾村の16人、双葉町の6人など2市2町1村の計59人。

 東日本大震災の発生直後には、着の身着のままで逃れてきた約2千人が暮らしていたが、既にほとんどが市外へ移動している。

 菅首相は出迎えた渡辺利綱・大熊町長らと会談後、先の見えない避難生活を送っている住民が暮らす部屋へ移動。当初の予定ではあらかじめ選ばれた住民と話し、短時間で帰るはずだった。

 しかし、菅首相があいさつもせずに目の前を素通りしたことに葛尾村から避難している男性(51)が抗議。呼び止められた菅首相は困惑した様子で、その後は1世帯ずつ丁寧に話して回り、同体育館での滞在時間は予定を大幅に超えた約1時間20分に及んだ。

 事前に菅首相と話すことが決まっていた大熊町の会社員、石田未来さん(28)は夫(37)や3人の子供との5人暮らし。「早急に仮設住宅で落ち着けるようにしてほしいと頼んだ。いつ帰れるか、どうしたらいいのか全くわからないのでつらい。早く事故を収束させてほしい」と話し、「大熊町から来て子供がいるから選ばれたのかな」と笑った。

 一方、立ち入りが制限される「警戒区域」の設定と同時に、認められることになった半径20キロ圏内への一時帰宅。原発から数キロのところに住んでいた大熊町の主婦(60)は、「1世帯1人で2時間だけじゃ何もできない」と不満を隠さない。「冷蔵庫の中は腐っているだろうし、家の中はぐちゃぐちゃのまま。みんなで行かないと何を持ち出すべきかわからないはず」と困り顔だった。


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