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河北新報 5月7日(土)14時24分配信
東京で数々のコンクールに入賞した実績のある美容師高橋寿さん(29)が、宮城県内の東日本大震災の被災地を回り、ヘアカットのボランティアをしている。
仙台市宮城野区白鳥の出身。震災後すぐに帰省したが、記憶にある街の面影は全く無くなっていた。実家は浸水被害を受け、同級生も亡くした。
家族の無事を確認して10日間ほどで東京へ戻ったが、もどかしさが募った。「離れていては何もできない。故郷に恩返しがしたい」。東京の美容室を辞め、地元に戻ることを決めた。
避難所となっている宮城野区の岡田小では4日、中学生からお年寄りまで避難者15人の髪にはさみを入れた。同区岡田の平山ゆきのさん(85)は「被災して初めて髪を切ってもらって、すっきりした。みっともない格好をしているのではないかと気にしていたので、本当にありがたい」と笑顔を見せた。
高橋さんは、津波に襲われた体験など、被災者一人一人の話に耳を傾けながら髪を切る。「話を聞くことで心のケアにもなると思う。髪を切った後に元気になってもらうことが一番大切」と言う。
美容師の登竜門と言われるコンテスト「ジャパン ヘアドレッシング アワード」の受賞候補としてノミネートされるほどの実力の持ち主。海外で活躍するという夢があるが、当分はボランティアを続けるという。「自分の夢は、街が元気になる姿を見届けてから」と力強く語る。(佐藤夏樹)
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