地方行政

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毎日新聞 5月16日(月)12時23分配信
 東京電力福島第1原発事故で立ち入りが規制されている「警戒区域」(原発から半径20キロ圏内)の自治体が、被災者への義援金配布に苦慮している。福島県内の被災地では、日本赤十字社や県に寄せられた義援金が1世帯当たり40万円配られる予定だが、原発事故の後に連絡が取れない所在不明者が多く、県などによると、このままでは約1400世帯5億6000万円余の義援金が宙に浮く可能性があるという。

 ◇1400世帯が所在不明

 東日本大震災で日本赤十字社などに寄せられた義援金については国も関与した「義援金配分割合決定委員会」が4月8日に設置され、各地への配分を進めている。福島県は、警戒区域と20〜30キロ圏内の全住民に加え、それ以外の地域で被災した人たちにそれぞれ40万円ずつ配布することを決定。4月下旬から配布事務に当たる各市町村に渡し始めた。

 義援金は震災後に作成した住民連絡先台帳を頼りに配布するが、県などによると、警戒区域に該当する9市町村で5月12日現在、死者・行方不明者を除く所在不明者が楢葉、富岡、大熊、双葉、浪江の5町で少なくとも4027人に達している。震災前の人口が約2万1400人だった浪江町では2332人と今も連絡が取れない。

 原発以外の、地震や津波による被災者の多くは地元や隣接自治体に避難しており、岩手県生活再建課は「避難先の把握は大体できている」、宮城県社会福祉課も「各市町村から所在不明者の情報は上がってきていない」という。福島県社会福祉課は「放射性物質から逃れるため個人で避難した人たちが多く、把握が難しい」と、「原発震災」特有の難しさを吐露した。

 原発震災の被災地では、東京電力による1世帯当たり100万円(単身者75万円)の一時金の仮払いも始まったが、これも所在不明者にはほとんど届いておらず、このほか仮設住宅の案内や、一時帰宅の募集案内も行き渡っていない状態だ。

 事故後、役場機能を同県会津若松市に移した大熊町は9日から義援金を配り始めたが、12日現在で133人の町民と連絡が取れていない。同町の鈴木久友総務課長(58)は「義援金を渡したくても渡せない」と嘆く。

 同県南相馬市では今も数万人が市外にいるとみられ、所在不明者数の確認もできていない。市社会福祉課は「北海道から沖縄まで避難者がいる。所在不明者はかなり(の人数)になるのではないか」。市は義援金対象外の住民にも市費で同額を支給することを決め、全約2万3000世帯に申請を呼びかけている。

 警戒区域の自治体の義援金に関する問い合わせは南相馬市が社会福祉課(0244・24・5243)、他の町村は県双葉郡支援センター(0120・006・865)で受け付けている。【杉本修作、鳥井真平】


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