災害

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読売新聞 5月30日(月)7時50分配信

東日本大震災の大きな揺れが襲った3月11日、内陸部の福島県須賀川市長沼地区では、農業用ダム「藤沼湖」(貯水量150万トン)が決壊し、濁流が集落をのみ込んだ。

 7人が死亡し、1歳の男児が行方不明。15世帯56人が今も避難生活を送る。近くに「土砂災害警戒区域」もある。梅雨を迎えると地滑りなどの危険がさらに高まり、住民は不安を募らせている。

 地震直後、ダム(高さ18メートル、幅133メートル)の堤が崩れるのを目撃した宍戸勝利さん(72)は「ごう音で、何が起きているのか分からなかった」と振り返る。ダムの水は濁流となり、約1キロ下流の滝集落を襲った。自宅1階にいた中村光子さん(65)が窓から見た濁流は、高さ5〜10メートル。4歳と2歳の孫2人を抱いて2階に駆け上がった。寒さに震えながら水が引くのを待った。「ダムの水で家が壊れるとは……」と驚きを隠さない。

 ダムの決壊で、14〜89歳の男女計7人が死亡し、男児は今も行方が分からない。同市立長沼中2年林萌子さん(14)は、ダム決壊から44日後の4月24日、集落から約40キロ離れた二本松市内の阿武隈川で、遺体で見つかった。母親と祖父の家にいた萌子さんは流された時、母親と手をつないでいた。川岸に流れ着いた母親は救助されたが、濁流の勢いは、2人の手をほどいてしまった。

 祖父の斎藤喜八さん(69)は「今でも夕方になると家に帰ってくるのではと思う時がある。局地的な雨での川の増水が心配で、再び災害が起きないか不安はある」と話す。

 ダムの水は下流域86・7ヘクタールにあふれ、内陸部に大きな“水害”をもたらした。流されたり、全壊したりした家屋は19棟、床上・床下浸水した家屋は55棟にのぼる。15世帯56人は近くの雇用促進住宅などで避難生活を余儀なくされている。


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