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毎日新聞 6月23日(木)11時26分配信
村井嘉浩知事が提案する沿岸漁業に民間企業の参入を促す「水産業復興特区」が、政府の東日本大震災「復興構想会議」が22日にまとめた第1次提言案に盛り込まれた。村井知事と反対する県漁業協同組合との隔たりは埋まらないまま、特区構想は前進する。県は構想が提言案に盛り込まれたことを民間企業にアピールし、民間参入の実績を早期に作りたい考えだが、課題は山積している。【宇多川はるか、青木純】
村井知事によると、第1次提言案には「漁業者が出資をする企業と、漁協の劣後順位をなくす」との文言が盛り込まれ、特区構想が明記されなかった提言の骨子から一転し、県の主張が取り入れられた。県幹部は、民間企業による資源管理に懐疑的な水産庁が特区構想に消極的なことが特区創設の壁になるとみてきた。
第1次提言案に盛り込まれたことを受け、水産庁幹部は「オールジャパンで復興の仕方を考えるという場の復興構想会議に、文句は言えない」と話す。村井知事は特区創設によって、漁協が事実上、漁業権を独占してきた現行制度に「風穴を開けたい」と意気込む。
一方、県漁協の阿部力太郎代表理事理事長は22日、「利潤第一の民間企業に水産資源を管理できるのか」と改めて疑問を呈し、現行制度でも企業が漁協に加入すれば参入は可能だとして「特区創設は必要ない」と言い切った。今後も反発の声を強めていく意向だ。
村井知事が想定する「地元漁業者中心の企業の参入」に実効性を疑問視する声もある。漁業の復興に向けて民間参入の必要性を訴えている小松正之・政策研究大学院大教授(海洋政策論)は「経営力、資本力がない地元漁業者中心という企業形態が実質的に成り立つのか」と懐疑的だ。
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