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産経新聞 6月24日(金)7時55分配信
■外来生物侵入防止訴え
25時間30分。飛行機なら地球の裏側まで行ける時間をかけて定期貨客船「おがさわら丸」が本州と小笠原諸島を結ぶ。島民にとって唯一の交通手段の船に乗り、固有種が残る自然豊かな小笠原諸島をめぐった。
最大で約1050人の乗船が可能な「おがさわら丸」の運賃は2万4270〜6万8450円。
年末年始など以外は週1回程度の就航で島の会社員、佐藤進也さん(40)は「不便に感じるかどうかは本人次第」と笑顔で応えた。
東京・竹芝桟橋から南へ千キロ。北太平洋上に散在する30を超える島々からなる小笠原で、人が住むのは父島(約2千人)と母島(約460人)だけ。小笠原村によると、年間の観光客数は約1万5千人で父島と母島には計71軒(計1193人収容)の宿泊施設がある。
おがさわら丸が小笠原の玄関口である父島に入港すると、「無人(ぼにん)ブルー」と称される深く青い海と突き刺さるような太陽の光が出迎えた。自然豊かな風景が広がるが、一旦中に入ると、所々に外来生物を防ぐ目的で作られた柵が散見される。
「母島のカタツムリを守るために−靴底の泥落としのお願い−」
父島から母島に渡航する際にもマットで靴底の種子などを落とすように求められる。同じように外来生物の侵入を防ぐための協力のお願いが書かれた看板などは島内に多数みられた。
「さまざまな規制はあるが、島民全体で自然を守っている」
ある島民は自然保護区の設置で自由に島内を歩けなくなった状況を嘆く。外からは分かりにくい島民の努力の一つ一つが、世界遺産登録に結びついていることを思い知った。(楠城泰介)
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