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産経新聞 10月6日(木)10時51分配信
小沢一郎被告の全面否認から始まった公判は、政治資金収支報告書に「虚偽記載」があったか、元秘書3人との「共謀」が成立するかなどの点で、激しい応酬が予想される。石川知裕衆院議員の供述調書の採否も焦点だが、最大のヤマ場は被告人質問だ。説明を二転三転させてきた小沢被告が、疑惑をどう語るのか。「法廷重視」の流れの中で、その言葉は判決の行方に影響を与えそうだ。
公判の第一の争点は、そもそも虚偽記載が成立するかどうかだ。
検察官役の指定弁護士は、土地購入費の捻出に困った元秘書から相談を受けた小沢被告が4億円を用意したと判断。陸山会の会計事務担当だった石川議員がこの4億円を「簿外資金で表に出せない資金」と考え、現金の出所を隠すために収支報告書に載せなかった−などとする。
一方、弁護側は4億円について、小沢被告が石川議員に預けたに過ぎないと反論。「4億円は陸山会に入っておらず、収支報告書に書く必要がない」として虚偽記載に当たらないとする。
虚偽記載が成立したとして、次の大きな争点となるのが共謀関係だ。
検察官役の指定弁護士が法廷での“武器”としたいのが、石川議員が小沢被告に虚偽記載を「報告して、了承を得た」と認めた捜査段階の供述調書だ。この調書は検察審査会が起訴議決に至った根拠ともなった。
元秘書3人の公判で東京地裁は「作成の任意性に問題がある」として証拠として不採用としたが、指定弁護士は「別の裁判官が公判を担当するため、採否の判断は違う」として証拠申請した。また小沢被告が融資関連の書類に署名していたことも、偽装を小沢被告が認識していた証拠と見る。
一方、弁護側は共謀を否定。さらに強制起訴を導いた2度の起訴議決について「4億円を記載しなかったことは告発の対象ではなく、1度目の議決に含まれていない。2度の議決を経ていない」として、議決の有効性も争う。
裁判は直接証拠が乏しいこともあり、法廷の証言が重視される展開となりそうだ。10月28日〜12月8日にかけ、石川議員ら元秘書3人が証人として出廷。12月には、前田恒彦元検事(44)=証拠改(かい)竄(ざん)事件で実刑判決確定=ら捜査にかかわった検事2人の尋問も予定される。
被告人質問は来年1月10、11日の予定だ。これまで小沢被告は特に4億円の原資をめぐり、「政治献金」「金融機関の融資」と説明を変え、昨年1月には「個人の資金」とした。こうした言葉の変遷を元秘書公判の判決は「明快な説明がない」と批判。小沢被告が証言台で疑惑をどう説明するか注目される。
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