原発

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毎日新聞 2月1日(水)16時30分配信

東京電力福島第1原発事故で汚染された農地の除染費助成を巡り、福島県の自治体や農家の間に「国は現場の実情を分かっていない」と不満が高まっている。昨季に作付けをした農地で除染をする場合、大型機械を使った特定の方法しか除染費用が補助されないためだ。福島市は2日、農林水産省に改善を申し入れる。

 「あんなでかい機材、うちの田んぼに入らないぞ」。福島県が昨年12月中旬に県内の水田で行った除染実演会。大型の作業機械やトラクターによる作業を見ていた農家の男性は思わず声を上げた。

 環境省は放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、昨年12月に除染ガイドラインを公表。除染計画を策定する市町村が除染を原則行うとした。作付けした水田・畑地は、特殊な農機具をつけた大型機械による(1)表層土と下層土を30〜45センチ入れ替える「反転耕」(2)約30センチの深さまで耕す「深耕」−−に限って補助対象とした。この深さまで耕すことで効果的に空間線量が下げられるという理由からだ。

 一方、国の暫定規制値を超える放射性セシウム検出で一部地域のコメの出荷停止が続く福島市は、2月〜来年3月、住民の外部被ばく防止も兼ねて全農地で除染を行う計画を策定。(1)(2)は「中小規模の農地が多く、現場の実情に合わない」として、各農家が所有する農機具で約12センチを耕起する方式を採用することにした。

 また、国は放射性物質を吸着する「ゼオライト」の散布について(1)か(2)の手法と併用した時のみ購入費用を助成するとしているが、市は放射性セシウムの農産物への移行を低減できるとして、ゼオライト散布単独でも助成するよう求める。

 しかし、あくまでも空間線量の低減を主目的とする環境省は「除染は一般人の外部被ばくを防ぐのが狙い。農産物の移行低減の必要性は感じるが、管轄外」と回答。農水省は「大型機械が入りにくい場所を含め、有効な除染方法を実験中」として、効果があればガイドラインに盛り込むよう環境省に働きかける方針だ。

 県北部で約40ヘクタールの農地を耕す50代の男性は、農機具リース会社に問い合わせたところ、大型機械のリース期間は6年以上からと言われた。男性は「装備を含めて6トンある機材を運び込むのは難しく、規模が大きいうちでも無理な話。机上の論理ではなく、現場に合った手法でないと意味がない」と憤る。【清水勝】


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