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産経新聞 2月5日(日)7時55分配信
東日本大震災や東京電力福島第1原発事故を受けて建設された仮設住宅をめぐり、入居後も実際には居住実態がないなどの不適切な入居が広まっている恐れがあるとして、福島県広野町と南相馬市が今月中に実態調査に乗り出すことが4日、分かった。震災から11カ月近く経過するなか、入居できない被災者らから苦情が相次ぐなど不公平感が強まっているためで、広野町では悪質な事例が確認されれば立ち退きも求める。
広野町によると、仮設入居者や入居希望者らから「入居しても実際は住んでいない人がいる」「倉庫代わりに使われている」などの情報が週に複数件寄せられているという。同町は町外に建設した約700戸の仮設に調査票を配り、居住者数や居住状況を調べるが、調査票の返送がない場合は居住実態がないとみて立ち退きなどを求める。
原発事故で広野町は全域が原発から半径20〜30キロ圏内の「緊急時避難準備区域」(9月末に解除)に指定され、約5300人の住民の大半が避難。役場機能も隣接するいわき市に移転させた。現在も住民の多くが町外の仮設住宅や借り上げ住宅などで避難生活を送っている。町担当者は「本当に仮設を必要とする被災者に入居してもらえるようにしたい」としている。
一方、緊急時避難準備区域に指定され、一部は今も原発から半径20キロ圏内の「警戒区域」となっている南相馬市は約2300戸の仮設住宅を建設。今月中に同様の実態調査を行う。市はこれまでも居住実態が疑わしい世帯に聞き取りを行ってきたが、全体的な調査が必要と判断した。
被災者が抱える事情は多様な上、不適切入居かどうかの線引きは難しいことも踏まえつつ、両自治体では公平性を保つため悪質なケースをあぶりだすという。
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