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産経新聞 2月20日(月)15時7分配信
平成11年の山口県光市母子殺害事件で、殺人や強姦致死などの罪に問われ、20年に広島高裁の差し戻し控訴審判決で死刑とされた元少年(30)の差し戻し上告審判決で、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は20日、元少年側の上告を棄却した。死刑とした広島高裁の差し戻し控訴審判決が確定する。
上告が棄却されたのは、犯行当時18歳1カ月だった元少年の大月(旧姓福田)孝行被告。事件発生から13年を経て裁判が終結する。
最高裁が永山則夫元死刑囚の最初の上告審判決で死刑適用基準(永山基準)を示した昭和58年以降、殺害された被害者が2人の事件で、犯行時少年の被告の死刑が確定するのは初めて。最高裁が把握している死刑確定者の中で、最も年齢が低いとみられる。
同小法廷は、「被害者の尊厳を踏みにじった犯行は冷酷、残虐で非人間的な行為だ。被告は殺害態様などについて不合理な弁解を述べており、真摯な反省の情をうかがえることはできない」と指摘。その上で、「犯行時少年であったことや、更正の可能性もないとはいえないことなど酌むべき事情を十分考慮しても、刑事責任はあまりにも重大」と述べ、死刑判決はやむを得ないとした。
4人の裁判官のうち3人の多数意見。宮川光治裁判官(弁護士出身)は死刑判決を破棄し、改めて審理を高裁に差し戻すべきだとの意見を付けた。死刑判決での反対意見は極めて異例。
1審山口地裁、2審広島高裁は、年齢や更正可能性などを理由に無期懲役としたが、最高裁は18年6月、「犯行時の年齢は死刑回避の決定的事情とまではいえない」として、審理を広島高裁に差し戻した。20年4月の差し戻し控訴審は「極刑回避の事情はない」として死刑を言い渡していた。
■おことわり
産経新聞社は原則として、犯行当時に未成年だった事件は少年法に照らして匿名とし、光市母子殺害事件も被告を匿名で報じてきました。しかし、死刑が事実上確定し、社会復帰などを前提とした更生の機会は失われます。事件の重大性も考慮し、20日の判決から実名に切り替えます。
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