教育

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福井新聞ONLINE 6月12日(火)8時16分配信

学習指導要領の改定で、本年度から中学1、2年生に「ダンス」が必修になった。県内では、生徒が取り組みやすいヒップホップなどの「現代的なリズムのダンス」を選択した学校が半数を超える。「子どもたちが親しみやすいヒップホップを通して、ダンスを好きになってもらいたい」との思いからだが、一方で“イマドキ”のリズムの動きに戸惑う体育教諭は少なくない。DVDや市販の参考書で独学するなど、指導法の模索を続けている。(牧野将寛)

 「ヒップホップはやったことがない。正直つらい」。福井市内の男性中学体育教諭(49)は本音を漏らす。

 必修化を前に県教委は2010、11年度に計20回の講習会を開いた。この教諭は10年度に3回受講したが「講習会場に流れていた曲も知らない。基本的な動きのパターンを覚えるだけでも大変だった」と振り返る。ダンスの授業は年間10〜12コマ、開始時期は各学校に任されている。この教諭の中学では秋ごろからスタートする計画で、現在もDVDなどで勉強中という。

 ダンスは▽現代的なリズムのダンス▽創作ダンス▽フォークダンス―の3選択肢から各学校が判断する。県スポーツ保健課によると、県内76中学校の1年生で「現代的なリズムのダンス」を選択するのは55校に上る。「年齢を問わず、教え方に戸惑っている体育教諭は多い」と福井市中学校保健体育科研究部会長の松田文博・森田中校長は指摘する。頭ではステップを理解していても、慣れない動きに体がついていかないのだという。

 授業の参考になればと、同市内の女性教諭(36)はスポーツクラブのエアロビクス教室に数回通った。「ヒップホップのDVDを見ても『自分にはできない』と落ち込む。でもダンスは楽しむもの。試行錯誤しながら、まずは私自身がテンションを上げて生徒に教えています」と苦笑い。

 松田校長は「正確なステップは大事。でも、それ以上に体を動かす楽しさや、仲間とのつながりを教えていくことが重要なんです」とダンス授業の意義を話す。

 体育館に「Dragon Ash」のヒップホップ曲「Life goes on」が大音量で流れる。「できなくてもチャレンジ、チャレンジ!!」。福井大附属中の幸坂浩教諭(44)が1年生40人に笑顔で呼びかける。懸命にリズムに乗り体を動かす生徒たち。困惑の表情が次第に笑顔に変わっていく。今月1日に同校で行われた「現代的なリズムのダンス」の公開授業の一コマだ。

 ヒップホップは、クロスステップやボックスステップなど13の基本的な動きを組み合わせる。体育館には各ステップの模範例を映し出すパソコン約10台を配置。生徒各自が、苦手なステップのパソコンの前で約10分間練習、見よう見まねでステップを習得していた。

 齋藤楓果(ふうか)さん(1年)は「難しいけど、苦手なステップを集中して練習できる。おもしろい」と授業を楽しんでいる。

 5月にダンスの授業を開始した同校では(1)苦手な動きを克服する個人練習(2)同じ動きを複数で合わせるチーム練習(3)発表―の流れで計12時間の授業を組み立てている。「ヒップホップは、今の生徒はテレビなどで慣れ親しんでいる。生徒自身が学びのスタイルをつくることが重要」と幸坂教諭は強調した。

 公開授業を見学した武生一中の大塚智也教諭(34)は「ヒップホップ自体に抵抗はないが、指導となると構えてしまう。生徒自身が楽しみながら学んでいく授業手法は参考になりました」と話していた。


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