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5月21日21時22分配信 毎日新聞
【成都(中国四川省)西岡省二】「中国側の判断を待っている。何日もこうしているわけにはいかない」。中国・四川大地震で日本政府が派遣した国際緊急援助隊医療チーム(23人)の田尻和宏団長は、記者団にいらだちを隠さなかった。
中国側との思惑の違いから、活動場所の決定は成都到着からほぼ24時間後の21日深夜にずれ込んだ。一刻も早く被災者治療をと意気込んで現地入りした医療チームは、丸一日足止めを強いられた。
日本の医療チームの活動場所に決まったのは、成都市内にある四川大学華西病院。22日から活動を開始する。
中国側は当初、医療チームに成都市内の総合病院、成都第1人民病院での支援活動を要求した。「骨折を中心に23人が医師不足のため手術待ちだ。それを支援してほしい」と、具体的な内容も伝えてきた。
だが日本チームが想定したのは、診療施設がなく医師がいない被災現場に直接出向き、仮設の診療所を設けて治療に当たる「野戦病院」方式。そのために簡易エックス線検査や応急外科手術などの装備を整え、成都に乗り込んできた。双方の意向はかみ合わず、長時間の調整が続いた。
華西病院も設備が整った総合病院だ。日本側は中国側の意向に押し切られ、被災地の最前線での治療活動を断念した形だ。
先に派遣された日本の緊急援助隊も、活動場所が二転三転し1人の生存者も発見できず帰国した。繰り返された活動場所をめぐる思惑の違いの表面化は、国境を越える緊急支援の難しさを浮き彫りにした。
中国共産党機関紙「人民日報」によると、ロシアの医療チームは20日に成都入りし、21日には四川省彭州(ほうしゅう)市で活動を開始。仮設の移動病院を設置し、負傷者の治療に当たった。新華社通信はロシアの移動病院について「手術室、病室、作業部屋などを備えている」と写真入りで説明した。
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